醤油の微生物について

醬油を造る工程で主に3種類の微生物が働いています。

そして麹菌、乳酸菌、酵母は、美味しい醤油の源です。

醬油麹を造って、食塩水と混ぜて諸味として仕込みます。

仕込んだ諸味が約6か月程度かかります。

さらに期間中に微生物が、活発に働いて香り成分が生成されます。

ちなみに発酵は、乳酸菌による乳酸発酵、酵母によるアルコール発酵などがあります。

目次

醤油の微生物について

醤油は、発酵製造する液体調味料です。

 

➀麹菌

旨味や甘味などの基本的な成分です。

原料の大豆や小麦などのたんぱく質、デンプン、脂肪などを分解する酸素を生成します。

そしてタンパク質を分解してアミノ酸やペプチドにする酸素、

デンプンを分解してブドウ糖にする酸素、

脂肪を分解してグリセリンにする酸素があります。

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⓶乳酸菌

味の深みや香りを引き立てます。

麹菌(酸素です)が生成したブドウ糖などを原料に乳酸や酢酸などの有機物を生成します。

諸味を弱酸性にする事で、醤油味に深みが増します。

完成した有機物の1部は、アルコール類と反応して香り成分になります。

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➂酵母

多くの香りを造ります。

ブドウ糖からアルコール類や醤油の香りなどの特有の香り成分を生成します。

食塩濃度が高い所で多く造られています。

醤油の麹菌について

麹菌は、湿度の高い暖かい地域を好みます。

一般的に30℃(度です)前後の温度、湿度は100%(パーセントです)前後の麹室(部屋です)です。

そして、酸素が必要なので空気を送りながら造ります。

現在は、約45時間かけて造ります。

以前は、3日間程度かかっていたので3日麹として有名です。

 

旨味成分であるアミノ酸のグルタミン酸は、醤油に多く含まれています。

麹菌が生産するグルタミナーゼ(酸素です)が大きく関わっています。

酸素が多い麹菌は、麹の品質を表す重要な指標の1つです。

特に醤油は大豆が多く使用されているので、

たんぱく質をアミノ酸に分解する為の多量の酸素が必要だからです。

醤油の乳酸菌について

乳酸菌は、乳酸などの酸を生成して香味に関与します。

諸味を還元状態に保つ事によって、赤橙色の生成に繋がります。

高濃度の食塩に対抗できる耐塩性の乳酸菌です。

そして仕込まれた諸味は、麹菌の酸素によってたんぱく質やデンプンの分解に利用されます。

1か月程度後、乳酸菌の増殖が始まります。

乳酸発酵が進行してpH(水素イオン指数です)も低下します。

主発酵酵母の増殖で、アルコール発酵が開始します。

醤油の酵母について

酵母は、主発酵酵母と熟成酵母に分類されます。

 

主発酵酵母は、高食塩下で生育や発酵する耐塩性の酵母です。

ブドウ糖からエチルアルコールは、有機物と化学反応して香気を生成します。

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熟成酵母は、耐塩性の酵母です。

小麦の皮の成分から熟成香の燻製の香りができます。

ちなみに少量の場合は、醤油に重厚感を与えます(多すぎると違和感を覚えます)。

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