牛肉・豚肉・鶏肉の生産コストについて

家畜は、成長期間によって繁殖能力が異なります(生理的な特性です)。

飼育期間や繁殖力によって、生産コストの差が大きいです。

そして世界の穀物消費量は、高い水準で推移しています。

水田や耕作放棄地を活用して飼料向け米や稲発酵粗飼料(Whole Crop Silage飼料です)を

生産したり、草地の生産性の向上、遊牧の推進などが必要です。

つまり、国産飼料を増産する施策が重要です。

ちなみにWCS飼料は、稲の穂と茎葉を丸ごと乳酸発酵させた飼料です。

目次

牛肉の生産コストについて

牛は、豚や鶏と比較すると成長が遅い動物です。

繁殖可能時期は、約15ヶ月齢程度です。

妊娠期間は、約280日程度です。

最初の子牛を産むまでは、2年以上かかります。

 

肉牛は、体重を1kg(キログラムです)を増やす為には、

10kg程度〜11kg程度の飼料が必要です。

豚肉や鶏肉よりも多くのコストが発生します。

生後2年半程度〜3年程度で出荷するからです。

豚肉の生産コスト

豚は、豚や鶏と比較すると成長が遅い動物です。

繁殖可能時期は、約8ヶ月齢程度です。

妊娠期間は、約114日程度です。

1年程度で母豚になります。

つまり、10頭ずつ子豚を産む事ができます。

 

肉豚は、体重を1kgを増やす為には、3kg程度〜4kg程度の飼料が必要です。

鶏肉の生産コスト

鶏は、豚や鶏と比較すると成長が遅い動物です。

繁殖可能時期は、約140日齢程度です。

妊娠期間は、約21日程度です(卵から雛になるまでです)。

約140日齢程度前後から卵を産む事が可能です。

生後1年間は、150個程度産卵します。

 

肉鶏(ブロイラーです)は、体重を1kgを増やす為には、2.2kg程度の飼料が必要です。

肉の生産コストについて

日本は、長い景気低迷や健康志向の高まりによって

食肉全体の1人当たり年間消費量が伸びていません。

しかし、価格帯が安い鶏肉や豚肉の消費量は、増加傾向になっています。

雄の肉牛1頭当たり生産費は、去勢若齢肥育牛で約124万1397円です。

飼育豚は1頭当たり生産費は、約3万2884円です。

 

飼育牛は、素畜費(62.9%です)、飼料費(24.7%です)、労働費(6.1%です)、

建物費(1.0%です)、光熱水量と動力費(1.0%です)、その他(4.3%です)です。

つまり、物材費が93.9%(パーセントです)、労働費が6.1%です。

 

飼育豚は、飼料費(62.5%です)、労働費(13.0%です)、獣医師料と医薬品費(6.4%です)、

光熱水量と動力費(4.8%です)、建物費(4.2%です)、その他(9.1%です)です。

つまり、物材費が87.0%、労働費が13.0%です。

 

世界的に牛肉の生産コストを下げる為に、

豚肉や鶏肉との市場競争を有利に働く事が求められています。

成長を早める為に別の品種との交雑種を作ったり、去勢せずに雄牛のまま飼育したり、

肥育技術の向上などの試みが続いています。

つまり、肉の生産コストは飼料費が40%程度〜60%程度を占めています。

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