飼料について
国産飼料は、山形県と同等の面積に当たる
98.5万ha(ヘクタールです)程度で作付けされています。
そして60%(パーセントです)に相当する約60万ha程度は、北海道に占めています。
さらに品目別は、全体の90%程度が牧草で占めています。
最近は、農家の高齢化によって労働不足が問題になっています。
配合飼料の価格高騰で飼料用米の栽培、稲発酵粗飼料なども生産しています。
ちなみに2007年までは、国産飼料の作付面積が減少傾向でした。
目次
飼料について
飼料は、家畜、家禽、養魚などの飼育される動物に餌として付与するモノです。
①粗飼料
繊維質を多く含んでいるモノです。
具体例は稲藁、乾草(干し草です)、稲発酵粗飼料(WCS飼料です)、
サイレージ(牧草や青刈りのトウモロコシを発酵品です)などです。
牛、羊、山羊などは、草類が主食なので必要な飼料です。
ちなみにWhole Crop Silageは、稲の穂と茎葉を乳酸発酵した飼料です。
②濃厚飼料
繊維質が少ないモノです(タンパク質、炭水化物などの栄養素が多く含んでいます)。
具体例はトウモロコシ、大麦、米、コウリャン、ふすま(小麦の糠です)、大豆油粕、
おから、魚粉、ビートパルプ(サトウダイコンから砂糖を抽出後に残る副産物の粕です)、
動物性飼料、ビール粕、米糠、穀物、粕類、糠類などです。
③配合飼料
家畜の種類に応じて複数の濃厚飼料を合わせた飼料です。
日本の飼料について
全畜産の飼料供給(TDNベースです)は、濃厚飼料が79%程度、粗飼料が21%程度です。
畜産の生産コストに占めている飼料費は高いです。
粗飼料の給与量が多い牛の場合は、30%程度〜50%程度です。
濃厚飼料が中心の豚や鶏は、60%程度です。
ちなみにTotal Digestible Nutrientsは、家畜が消化できる養分の総量です。
1965年、飼料の自給率は31%です。
1970年、飼料の自給率は10%程度です。
高度経済成長期が始まって食の欧米化、
農業の近代化によって生産量の確保を重点的に行いました。
つまり、飼料を輸入に頼る加工型畜産が主流になりました。
2010年、飼料の自給率は10%程度〜14%程度です。
ちなみに加工型畜産は、戦後の家畜品の生産拡大と安定供給に寄与しました。
現代の飼料について
現在は、濃厚飼料が86%程度〜87%程度、粗飼料が22%程度です。
2017年度の飼料穀物の輸入量は、年間約1242万t(トンです)です。
品目別は、トウモロコシ(1万622tです)、大麦(969tです)、小麦(402tです)、
コウリャン(1万366tです)、エン麦(46tです)、ライ麦(11tです)です。
国別は、アメリカ合衆国が7910万t、ブラジルが2547万t、
オーストラリアが1001万t、その他が958万tです。
世界人口が増加傾向、肉類の消費も伸びています。
今後は、世界的な穀物需給は逼迫していきます。
日本は、飼料を海外に依存しています。
飼料の自給率の改善が大きな課題になっています。