餅が伸びる仕組みについて
餅は、よく伸びる食べ物として有名です。
しかし、ご飯はよく伸びないです。
同じ炭水化物ですが、米と餅は含まれている成分が異なります。
つまり、炭水化物に含まれている成分が伸びたり、伸びにくくなったりします。
目次
餅が伸びる仕組みについて
餅は、もち米を加工して作る食品です。
米は、稲の果実である籾から外皮を取り去った粒状の穀物です。
餅と米は、それぞれに含まれているデンプンの成分の割合が異なります。
そしてデンプンは、アミロースとアミロペクチンに分類されます。
基本的にブドウ糖がたくさん繋がって形成しています。
●デンプンは、植物の光合成によって作られる炭水化物です(多糖類です)。
●アミロースは、多数のα-グルコース分子がグリコシド結合(α1→4結合です)によって
重合して直鎖状になった高分子です。
●アミロペクチンは、多数のα-グルコース分子がグリコシド結合によって、
重合して枝分かれの多い構造になった高分子です。
粳米の場合は、アミロペクチンが80%(パーセントです)程度、
アミロースが20%程度の割合です。
そしてアミロースは、ブドウ糖の枝分かれが少ないです。
さらにアミロペクチンは、ブドウ糖の枝分かれが多いです。
つまり、アミロペクチンは伸ばしても形状が変わるだけです。
結果的に簡単に切れない構造になっています。
一般的にご飯として採用されているうるち米は、
基本的に2(アミロースです):8(アミロペクチンです)の比率で構成されています。
アミロースとアミロペクチンについて
アミロースは、1本の紐風に繋がっています。
つまり、切れやすいです。
アミロースのデンプンは、食感がパサパサ感します。
具体例は、タイ米です。
アミロペクチンは、たくさん枝分かれして絡み合っています。
つまり、切れにくいです。
アミロペクチンのデンプンは、食感がモチモチ感します。
具体例は、餅米です。
餅が伸びやすい構造の具体例は、餅米です。
アミロペクチンが100%(パーセントです)を含んでいる餅米とします。
餅米を加熱すると、アクロペクチンが水を含みます。
縮んでいたブドウ糖の枝が伸びて、餅の中の水分が沸騰体積の大きい水蒸気に繋がります。
米粒が潰れて、アミロペクチンが水を取り込んだままブドウ糖の枝が絡みます。
餅の中の圧力が高まるので、餅内の壁を押し上げるように膨らみます。
結果的に柔らかくて、伸びる餅ができます。
つまり、アミロペクチンが多いと伸びやすいです。
餅は時間が経過すると、硬くなります。
温度が下がると、水を取り込んで伸びていた
アミロペクチンのブドウ糖の枝が徐々に縮んでしまうからです。
つまり、デンプンの再結晶化です(老化です)。