醤油の機能について

食品の醤油は、万能調味料として日本全国に普及しています。

そして煮物の調味料、調理の素材を美味しくしたり、和食のお供、

仕上げ用、生臭さを消したりするなどの様々な効用があります。

さらに栄養価、味覚、生体などの機能があります。

あらゆる料理に使用されていて、世界各地で利用されています。

ちなみにアメリカ合衆国では、All Purpose Seasoning(万能調味料です)で有名です。

目次

醤油の機能について

醤油は、大豆を使用した万能調味料です。

 

➀芳香効果

食欲をそそる香りや色を出します。

醬油のアミノ酸と糖分が加熱して起こるアミノカルボニル反応によって生じます。

つまり、メラノイジン(色素です)が出ます(香り成分です)。

さらにアミノカルボニル反応は、照りも出します。

ちなみに、焼き鳥、蒲焼きなどに向いています。

 

⓶殺菌効果

食塩やアルコールと酸が日持ちを促進します。

醬油は、食塩分、アルコール、有機物などの成分が含まれています。

主に大腸菌の増殖抑制や死滅などがあります。

ちなみに、しょうゆ漬けや佃煮は静菌効果を利用しています。

 

➂消臭効果

生臭さ対策です。

醬油によってpH(水素イオン濃度です)が弱酸性になるからです。

一般的な魚にあるトリメチルアミンが中和されて揮発性がなくなります。

つまり、素材の生臭さが感じられなくなります。

 

➃緩衝効果

食べ物を美味しい弱酸性の範囲を保ちます。

醬油は、弱酸性ですが緩衝能によって急激なpHの変化を抑えます。

つまり、料理のpHを弱酸性を保つ力があります。

主に煮物、酢物などが調和のとれた味付けが可能です。

多くの食品は、弱酸性があって美味しさと大きく関係しています。

 

⓹相乗効果

両方の味が共に強化される事です。

ダシと絡み合って深い旨味成分ができます。

醬油のグルタミン酸と鰹節のイノシン酸が働き合います。

主に天つゆやそばつゆが有名です。

 

⓺対比効果

甘味を引き立てます。

主体の味が強く、他の味(醤油です)を少量加える事で主体の味が一層強く感じられます。

具体例は甘い煮豆、スイカなどです。

甘い煮豆の仕上げに醤油を入れると、甘味が一層引き立ちます。

ちなみにスイカの場合は、食塩を振りかける事で甘味が増します。

 

⓻抑制効果

塩味を抑えます。

両方の味が弱められる事です。

醬油の有機酸類に塩味を和らげる効果があります。

主に漬かりすぎた漬物や塩鮭に有効です。

つまり、塩辛いモノに少しの醤油を加えると、塩辛さが抑えられます。

料理のさしすせそについて

和食の5大調味料は、さ(砂糖です)、し(塩です)、

す(酢です)せ(醤油です)、そ(味噌です)です。

ちなみに醤油のせは、古い仮名遣いです。

 

砂糖は、材料に浸透するのが遅いです。

早く入れる事で、味を染み込ませる必要があります。

同時に他の調味料の浸透を手助けする働きがあります。

 

塩は、料理材料の水分を外に出す作用があります。

早く入れすぎると、素材を硬くして他の味が染み込みにくくなります。

 

酢、醤油、味噌は、後から入れます。

特に醤油と味噌は、香りを生かす調味料です。

香りを飛ばさないように後に入れます。

ちなみに鰹節のダシの場合は、醤油を最後に入れます。

鰹節の香りと醤油の香りを両方引き立てる為です。

5大調味料の科学的根拠について

食材に入れた調味料が染み込む速度は温度が高く、食材の中と外の食材の温度差が大きいからです。

食材の表面積が広い程速くなります。

調味料成分の分子量が小さく、イオンや分子が球形である程染み込みやすいです。

つまり、分子が小さく、水溶液中でイオンになる食塩は、砂糖の約4倍の速度で染み込みます。

分子量が大きく染み込みの遅い砂糖は、食塩よりも先に入れます。

 

砂糖と食塩を同時に入れても、食塩の方が先に染み込みます。

そして砂糖を先に加えると、染み込んだ後に食塩も染み込みます。

食材の内部まで味をむらなく染み込ませる事が可能です。

さらに煮魚は、あまり内部まで味が入り込まなくても大丈夫な料理はこだわりが必要ないです。

酢、醤油、味噌は、旨と香りが重要なので最後に入れます。

食材から水分を引きだして組織を引き締め硬くしてしまうからです。

風味を生かした美味しい料理に仕上がります。

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