急速冷凍について
食べ物の細胞の中に成長した氷の結晶(ドリップの原因です)は、
細胞膜を破って成長していきます。
そして食品解凍時は、細胞膜に突き刺さっていた氷が融けて、
隙間から細胞内の液体(ドリップです)が漏洩します。
ちなみにドリップは、食品内部から分離して出る液体です。
目次
急速冷凍について
急速冷凍は、食品の中心温度が最大氷結晶生成温度帯を
30分以内に通過して凍結する事です。
ちなみに最大氷結晶生成温度帯は、-1℃程度〜-5℃程度です。
ドリップを形成しない方法は、氷の結晶を小さくする事です。
細胞内の氷が成長する温度は、-1℃程度〜-5℃程度です。
つまり、最大氷結晶生成温度帯です。
一般的な冷凍(緩慢凍結です)は、温度帯をゆっくり通過します。
つまり、氷の結晶が大きくなってしまいます(組織の損なわれ方が大きいです)。
氷の結晶を成長しにくくする方法は、
温度帯を速やかに通過する事(急速冷凍です)が重要です。
急速凍結は、組織内に小さな氷の結晶が発生します。
組織の損なわれ方が少なく済みます。
急速冷凍の技術について
①添加物が必要ないです。
細胞を破壊せずに凍結ができるからです。
元の食品の色の劣化や形状の崩れを防ぐ事が期待できます。
つまり、着色剤、安定剤、防腐剤などの添加物が不要です。
②長期間保存ができます。
年単位〜数十年単位で長期保存ができます。
鮮度は、生魚とほとんど変わらない状態を維持しやすいです。
従来の冷凍技術の場合は、数ヶ月程度で消費期限の限界を迎えます。
鮮度が徐々に低下してしまいます。
③均一な品質を維持しやすいです。
満遍なく凍結ができるので凍結ムラが少ないです。
美味しい状態で冷凍する事が可能です。
緩慢冷凍の場合は、冷凍庫内の冷気の当たりやすさによって凍結時間に差が生じます。
品質管理が難しいです。
④素材の味・作りたての味の維持ができます。
食材の細胞が破壊しにくくなります。
揚げ物の場合は、カリッとした食感、サクサク感などの味が解凍後も再現できます。
⑤ドリップの発生が起きにくくなります。
-30℃(度です)程度〜-40℃程度の強い冷風を活用して短時間で一気に凍結します。