食中毒について

食中毒は、細菌性食中毒が70%(パーセントです)程度占めています。

そして病因細菌は、カンピロバウター(33.4%です)、ウイルス類(16.6%です)、

サルモネラ菌(13.5%です)、腸炎ビブリオ(12.3%です)、自然毒(9.1%です)などです。

さらに病原性大腸菌に関する食中毒は、微量の菌量で大きな病に繋がります。

腸管出血性大腸菌である0-157は、激しい腹痛や

出血性下痢(出血性大腸炎です)を引き起こします。

腸管に付着して毒素であるベロ毒素を出します。

ちなみにベロ毒素は、溶血性尿毒症候群を発症させる原因に繋がります。

目次

食中毒について

食中毒は、食品自体に含まれている細菌が付着して起こる急性の健康障害です。

調理器具、包装容器なども細菌が付着しています。

 

①植物性食中毒

具体例は、キノコ中毒です。

毒キノコは、約30種類程度あります。

クサウラベニダケ、カキシメジ、ツキヨタケなどが70%程度のキノコ中毒発生しています。

さらにジャガイモのソラニン(アルカロイド配糖体です)、

アオイ豆のリナマリン、青梅のアミグダリンなどもあります。

 

②動物性食中毒

具体例は、フグ中毒です。

フグ毒は、テトロドトキシンが有名です。

神経の活動を調節するイオンチャンネル(細胞の小孔です)に結合して神経を麻痺化します。

基本的にフグの毒性は、青酸カリの約1000倍です。

特に卵巣、肝臓などに多く含まれています。

 

③化学性食中毒

具体例は、有害化学物質に汚染された食品です。

粉乳のヒ素や米糠油にポリ塩化ビフェニルなどが混入していたり、

水俣病のメチル水銀による亜急性中毒、イタイイタイ病のカドミニウムがあります。

 

④ウイルス性食中毒

具体例は、ノロウイルスです。

熱や酸に強く、人間の腸管内でしか繁殖しないです。

一般的には、ウイルスに汚染された食品に含まれています。

嘔吐や下痢などの胃腸炎症状が生じます。

食中毒の原因について

①経口感染

潜伏期間は、4日程度〜9日程度です。

微量な菌数で発症します。

 

②急性肝不全

溶血性尿毒症に繋がります。

 

③ベロ毒素

タンパク質の合成を阻害します。

菌は、上皮細胞に取り付いてベロ毒素を発生し続けます。

細胞を破壊して潰傷を形成していきます。

その後、大腸の上皮細胞が破れて出血します。

基本的に大腸粘膜に付着します。

 

④脳症

溶血性尿毒症に繋がります。

食中毒の種類について

食中毒名 特徴 具体例
植物性食中毒 植物固有の有毒成分タイプです。 毒キノコ、毒草、青梅、ジャガイモの芽、毒ゼリ、チョウセンアサガオなどです。
動物性食中毒 動物固有の有毒成分タイプです。 フグ、シガテラ、イシナギ、ムラサキガイ、アサリ、カキなどです。
感染侵入型細菌性食中毒 食中細菌の摂取タイプです。 サルモネラ菌、赤痢菌、チフス菌、腸管侵入性大腸菌などです。
生体内毒素型細菌性食中毒 食中細菌が腸管に定着して増殖時に産生する毒素タイプです。 腸炎ビブリオ、コレラ菌、セレウス菌、腸管毒素原性大腸菌、腸管病原性大腸菌などです。
生体外毒素型細菌性食中毒 食中細菌が産生した毒素の摂取タイプです。 黄色ブドウ球菌、嘔吐型セレウス菌、ボツリヌス菌などです。
ウイルス性食中毒 ウイルスの経口感染タイプです。 ノロウイルス、エンテロウイルス、ロタウイルス、アストロウイルスなどです。
化学性食中毒 有毒化学物質の経口摂取タイプです。 水銀、鉛、エタノール、ヒ素などです。

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