船上保管庫について

海上で漁獲した魚は、船を通じて港に運びます。

沿岸漁業や養殖などで獲った魚は、一般的に当日に港に水揚げできます。

その後、競りで魚市場に出荷します。

しかし、沖合漁業の場合は基本的に最大2ヶ月程度船内に保管する必要があります。

ちなみに遠洋漁業の場合は、1年以上船内に保管する必要があります。

目次

船上保管庫について

船上保管庫は、魚の品質保持目的で保存する倉庫です。

漁獲した魚は、鮮度が命です。

新鮮な魚は、生きたまま届ける事が重要です。

 

①活魚倉

魚を生きて泳いでいる状態で保管する倉庫です。

養殖場や中継基地から活魚を運搬する魚運搬船が増加しました。

最近は、生きた魚(活魚です)の需要が高いです。

 

②魚倉

氷が入っている倉庫です。

日本の近海や沿岸などで獲った魚は、船の倉庫に一旦保存します。

秋刀魚の場合は、砕氷と海水を入れた魚倉を利用します。

落札した秋刀魚は、選別機でサイズに分けてスチール箱に砕氷と一緒に詰めて出荷します。

トラックで運搬する場合は、タモで魚をすくって氷と水を一緒に入れて積み込みます。

ちなみに、トラックごとに取引していきます。

 

③低温倉庫

温度や湿度が一定に保たれる倉庫です。

主に生鮮食品、魚、肉、野菜などが対象です。

特に現代は、商品を低温で物流する事で

鮮度を維持する方法(コールドチェーンです)が重要課題です。

価格が安定化して消費者に安定して商品を届ける事ができます。

 

④急速冷凍庫

急速冷凍によって魚を凍らせて運びます。

遠洋漁業で活用できます。

鮪の場合は、漁獲すると、船上ですぐに前処理をします。

エラ、内臓、尻尾などを取り除いて、血抜きにします。

その後、-65℃(度です)程度で急速冷凍を35時間します。

最終的に-60℃で冷凍倉庫に保管して完成です。

ちなみに冷凍マグロは、一般買いが多いです。

入札の場合は、選別台で重さを確認して仕分け後に冷凍のまま取引します。

船上保管庫の温度設定について>

基本的に魚倉庫の庫内温度は、常温、冷蔵、冷凍に分類しています。

つまり、3温度帯です。

魚の特性に合わせて細かい区分をして保管します。

農産物や水産物は、生産に季節性や長時間鮮度を保つ事ができない商品が多いです。

商品価格の変動が激しくなってしまいます。

港に水揚げした漁獲は、需給関係や価格関係で直ぐに消費地に運ばれる事はないです。

つまり、売り手に有利な市場になるまで一時保管する事があります。

様々な事情に考慮した冷蔵設備、冷凍設備、高速冷凍設備を配備した倉庫が重要です。

 

魚が腐敗する主な原因は、細菌の増殖です。

細菌は、10℃以下の環境下で増殖が低下していきます。

-15℃以下の場合は、ほとんど細菌が繁殖できなくなります。

つまり、冷蔵庫が0℃程度〜10℃程度、冷凍庫が-18℃程度以下に設定します。

しかし、鮪の場合は、冷凍する温度によって変色してしまいます。

一般的には、-60℃程度で凍結保管します。

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