海洋深層水について
海底付近にある海洋深層水は、年間を通して低温です。
安定しているので、海洋の表層水との温度差を利用して発電する事ができます。
そして海洋温度差発電は、深層水の低温安定性を活用した発電です。
さらに深層水は、栄養塩が豊富な綺麗な海水です。
ちなみに海洋深層水は、生命活動に欠かせない窒素、リン、ケイ素などが多いです。
特に水質の変化がなく、かなり安定しています。
目次
海洋深層水について
海洋深層水は、太陽光が届かない深度200m(メートルです)メートル
以深の深海にある表層以外の海水です。
海水の95%(パーセントです)以上は、海洋深層水です。
深層水が安定している理由は、熱塩循環が行われているからです。
しかし、大規模な海洋の対流によります。
そして海洋の大流は、海水の比重差によって起こります。
海洋の塩分濃度と海水の温度が重要です。
熱塩循環について
熱塩循環は、温度や塩分の違いによって周囲よりも重くなった海水が
海底に沈んで一定の深さで塊になって流れながら徐々に湧き上がる仕組みです。
そして、冷たい海水が次々と深層へ補われていくので安定的に低温になります。
オホーツク海で作られた低温・塩分の海水は、親潮によって三陸沖を南下します。
南側から暖かい黒潮が流れてくるので、房総半島沖で100m付近の中層まで沈み込みます。
その後、海水塊に分かれながら回って、再度日本南部の太平洋沿岸へ戻っていきます。
深層水について
深層水は、植物が光合成を行う時に利用する栄養塩が豊富にあります。
大きな特徴は、懸濁物質や微生物が少ないです。
光が届く表層は、窒素やリンなどの無機栄養塩が
植物の光合成によって有機物に合成されます。
さらに有機物は、動物プランクトンや魚などの生物によって食べられます。
生物の死骸や糞は、微生物の餌になります。
つまり、生態系が循環しています。
しかし、光が届かない深層は、光合成が行われないので
無機栄養塩がそのまま蓄積されています。
栄養塩が分解されないので、餌とする生物がいなくなります。
つまり、栄養塩だけが増加して海水が汚れにくくなります。
海洋の循環について
①表層の流れ
太平洋→インド洋→大西洋→グリーンランド・ウェッデル海へ移動します。
グリーンランドは、冷却や沈降します。
ウェッデル海は、冷却や沈降します。
②深層の流れ
グリーンランド・ウェッデル海→大西洋→インド洋→太平洋→赤道へ移動します。
基本的に赤道付近で表層に変わります。
ちなみに、インド洋から表層に変わる事があります。
日本の海流について
日本海固有水は、日本海の深水300mよりも深い均質な水です。
水温は、0℃(度です)程度〜1℃程度です。
塩分は、34.1程度です。
①日本海
ロシア連邦のウラジオストク沖で沈み込みます。
日本海固有水があります。
②太平洋
オホーツク海から北太平洋中層水(北太平洋の亜寒帯の塩分の低い海水です)が移動します。
北太平洋の深層水は、オホーツク海側に移動します。
③オホーツク海
北太平洋で唯一大気に接した水が中層へ潜り込める海です。
オホーツク海モード水があります。
陸棚高密度水(北太平洋の表層でできる水で最も重い水です)があります。
ちなみに陸棚高密度水は、ロシア連邦のシベリアからの厳しい寒気と
風向が沖向きなので海氷が沖へ次々流されて大量の海氷生産が行なわれます。
海氷生成に伴う高塩分水(ブラインです)の排出が多量になって高密度陸棚水が生成されます。