不動産の用途地域について
不動産の掟。
都市計画法では、用途地域以外に様々な地域や地区の指定があります。
住宅や建物が建てられる場所や建てられない場所などがあります。
それぞれの規定に合わせなければなりません。
都市計画法は、1969年に施行した都市の健全な発展を目的とする法律です。
ちなみに、1968年に公布されました。
目次
①用途地域以外の規制について
用途地域は、用途の混在を防ぐ事です。
そして、都市計画法の地域地区の1つです。
各用途地域の主な建築物の制限についてです。
建築物 | 第1種低層住居専用地域 | 第2種低層住居専用地域 | 第1種中高層住居専用地域 | 第2種中高層住居専用地域 | 第1種住居地域 | 第2種住居地域 | 準住居地域 | 工場地域 | 準工場地域 | 工場専用地域 | 商業地域 | 近隣商業地域 |
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住宅 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられない。 |
併用住宅(店舗や事務所などです) | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられない。 |
店舗や飲食店 | 建てられない。 | 制限ありです。 | 制限ありです。 | 制限ありです。 | 制限ありです。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 制限ありです。 |
事務所 | 建てられない。 | 建てられない。 | 建てられない。 | 制限ありです。 | 制限ありです。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられない。 |
工場 | 建てられない。 | 建てられない。 | 建てられない。 | 建てられない。 | 制限ありです。 | 制限ありです。 | 制限ありです。 | 制限ありです。 | 制限ありです。 | 制限ありです。 | 建てられます。 | 建てられます。 |
業務用倉庫 | 建てられない。 | 建てられない。 | 建てられない。 | 建てられない。 | 建てられない。 | 建てられない。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 |
病院 | 制限ありです。 | 制限ありです。 | 建てられない。 | 建てられない。 | 建てられない。 | 建てられない。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 制限ありです。 | 制限ありです。 |
保育所や診療所 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 |
幼稚園や小・中・高等学校 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられない。 | 建てられない。 |
大学や専門学校 | 建てられない。 | 建てられない。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられない。 | 建てられない。 |
ホテルや旅館 | 建てられない。 | 建てられない。 | 建てられない。 | 建てられない。 | 制限ありです。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられない。 | 建てられない。 |
映画館や劇場 | 建てられない。 | 建てられない。 | 建てられない。 | 建てられない。 | 建てられない。 | 建てられない。 | 制限ありです。 | 制限ありです。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられない。 | 建てられない。 |
カラオケボックス | 建てられない。 | 建てられない。 | 建てられない。 | 建てられない。 | 建てられない。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 |
麻雀店やパチンコ店 | 建てられない。 | 建てられない。 | 建てられない。 | 建てられない。 | 建てられない。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられます。 | 建てられない。 |
キャバレーや風俗施設 | 建てられない。 | 建てられない。 | 建てられない。 | 建てられない。 | 建てられない。 | 建てられない。 | 建てられない。 | 建てられない。 | 建てられます。 | 制限ありです。 | 建てられない。 | 建てられない。 |
②用途地域以外の地域地区について
主な用途地域以外の地域地区についてです。
●防火地域・準防火地域…防火の為に建物の階数や規模に応じて、
構造を規制をします(耐火構造、準耐火構造です)。
●特別用途地区…必要に応じて用途地域の制限を緩和したり厳しくしたりする地域です。
特別工業地区、小売店舗地区、事務所地区、娯楽・レクレーション地区、厚生地区、
中高層階住居専用地区、商業専用地区、文教地区、観光地区などがあります。
●風致地区…都市の風致維持の為の建造物、木竹伐採、宅地構造などを規制をします。
●景観地区…市街地の美景維持の為の建造や敷地などを規制をします。
。
●高度地区…市街地の環境維持や土地利用増進を図る為、
建造物の高さの最高限度や最低限度を規制します。
●景観地区…土地の積極的な高度利用の為の容積率の最低限度などを規制します。
③用途地域ごとの建ぺい率と容積率について
敷地に建てられる建物の規模は、建ぺい率と容積率によって決まります。
●建ぺい率…敷地面積に対する建築面積の割合です。
用途地域ごとに定められていて、高いほど土地の有効活用を図れます。
しかし日照問題、プライバシー、隣家からの延焼を受けやすいなどの問題があります。
建築面積/敷地面積=建ぺい率です。
●容積率…敷地面積に対する建築の延床面積の割合です。
用途地域ごとに定められていて、高いほど土地の有効活用を図れます。
しかし住居系の用途地域は、住宅地としての環境維持の為に低めに設定されています。
ちなみに、容積率は前面道路幅の影響を受けます。
延床面積/敷地面積=容積率です。
各用途地域ごとの建ぺい率と容積率についてです。
建築物 | 第1種低層住居専用地域 | 第2種低層住居専用地域 | 第1種中高層住居専用地域 | 第2種中高層住居専用地域 | 第1種住居地域 | 第2種住居地域 | 準住居地域 | 工場地域 | 準工場地域 | 工場専用地域 | 商業地域 | 近隣商業地域 | 指定のない地域 |
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建ぺい率 | 30%、40%、50%、60%です。 | 30%、40%、50%、60%です。 | 30%、40%、50%、60%です。 | 30%、40%、50%、60%です。 | 50%、60%、80%です。 | 50%、60%、80%です。 | 50%、60%、80%です。 | 60%、80%です。 | 80%です。 | 50%、60%、80%です。 | 50%、60%です。 | 30%、40%、50%、60%です。 | 30%、40%、50%、60%、70%です。 |
容積率 | 50%、60%、80%、100%、150%、200%です。 | 50%、60%、80%、100%、150%、200%です。 | 100%、150%、200%、300%、400%、500%です。 | 100%、150%、200%、300%、400%、500%です。 | 100%、150%、200%、300%、400%、500%です。 | 100%、150%、200%、300%、400%、500%です。 | 100%、150%、200%、300%、400%、500%です。 | 100%、150%、200%、300%、400%、500%です。 | 200%、300%、400%、500%、600%、700%、800%、 900%、1000%、1100%、1200%、1300%、1400%です。 |
100%、150%、200%、300%、400%です。 | 100%、150%、200%、300%、400%です。 | 100%、150%、200%、300%、400%です。 | 50%、80%、100%、200%、300%、400%です。 |
④建物の高さ制限について
建物を建てる時には、面積に関する制限だけではなく高さの制限も重要です。
建築基準法に建物の高さに関する規制があります。
これは、近隣の建物によってに日当たりや風通しなどが大きく影響を受けます。
建物の高さに関する規制は、用途地域や敷地面積、道路の幅、建物の向きなどで異なります。
●第1種低層住居専用地域・第1種低層住居専用地域…都市計画の定めによって、
基本的に10m(メートルです)や12mが上限です。
●日影規制…各自治体の定めによって、
主に住居系の用途地域を対象として適応されます。
工業地域、工業専用地域、商業地域には適用されません。
●隣地斜線制限…隣地との境界線から高さ20mの垂直な線を引いて
(工業系や商業系の用途地域は31mです)、
さらにその上端から1.25倍を掛けた斜線を引いて(工業系や商業系の用途地域は2.5倍です)、
その斜線の範囲に収まる必要があります。
●北側斜線制限…隣地との北側境界線にかける制限です。
低層住居専用地域と中高層住居専用地域のみが適用されます。
北側隣地との境界線から高さ5mを引いて(中高層住居専用地域は10mです)、
その上端から1.25倍を掛けた斜線を引いて、
その斜線の範囲に収まる必要があります。
●道路斜線制限…前面道路の反対側境界線から一定の数値を掛けた斜線を引いて
(住居系の用途地域は1.25倍、その他は1.5倍です)、
その斜線の範囲に収まる必要があります。
そして建物を道路から後退させて建てた場合はその後退距離の分だけ、
道路の反対側の境界線も外側とみなす緩和措置があります。
屋根に勾配を付けたマンションに適用されている場合が多いです。