醤油の歴史について
醤油は昔から使用されていますが、明確に誕生した証拠がないです。
そして有説として、3つあります。
➀弥生時代に日本人が穀物と塩を保存する目的で甕の中に貯蔵して始まった説です。
⓶飛鳥時代に中華人民共和国で造られた醤(ひしおです)が朝鮮半島を経由して伝達した説です。
➂鎌倉時代に覚真さんが中華人民共和国から伝達した怪山寺味噌から染み出した液体説です。
さらに醤油の言葉自体の発祥は、室町時代からです(節用集に掲載されています)。
ちなみに醤油の本格的な生産は、江戸時代からです(たまりしょうゆが主流でした)。
目次
醤油の歴史について
醤油は、調味料です。
現在、醤油は世界100ヶ国以上で使用されています。
そして日本の醤油は、良質な水、温度、湿度によって価値が担保されています。
江戸時代に入って、醤油生産が活性化しました。
関東地方は濃口醬油、近畿地方は薄口醬油が中心です。
江戸時代中期、オランダ商人によってアジアからヨーロッパにかけて輸出されました。
フランスの王族階級が醤油を利用していました。
ちなみにひしおは、主に3種類に分類されます。
➀草醤は、野菜や野草を発酵させたモノです。
⓶肉醤は、肉や魚を発酵させたモノです。
➂穀醤は、穀物や豆類を発酵させたモノです。
農耕社会によって、収穫された穀物や豆類を長く保存する為に塩漬けをしていました。
空気中の微生物が入って発酵が進行して、醤油の原型が弥生時代から続けられています。
醤油の主な年表について
西暦 | 主な内容 |
---|---|
紀元前800年頃 | 周王朝の文献『周礼』に醤の文字が掲載されいます。 |
紀元前500年頃 | 孔子さんの言行録『孔子』で食習慣に醤が使用されていた事が掲載されています。 |
弥生人が穀物を塩蔵していた形跡が現存しています。 | |
500年頃 | 中国最古の農業書『斉民要術』で黒豆を利用した醤の作り方が掲載されています。 中華人民共和国から色んな醤が日本に伝達しました。 |
701年 | 律令『大宝律令』で宮中の大膳職の主醤(官名です)を取り扱っていました。 |
754年 | 中華人民共和国から鑑真が来日して味噌を伝達しました。 |
903年 | 日本最古の辞書『和名抄』に醤の和名が比之保として掲載されています。 |
927年 | 格式『延喜式』で醤醸造の例が掲載されています。 |
1116年 | 藤原忠通さんの年賀の献立が類聚雑要抄』に図示されています。 |
1254年 | 覚心さんが宋から怪山寺味噌の製法を伝達しました。 味噌から分離した液体がたまりしょうゆとして始まりました。 |
1470年 | 現存最古の写本『文明本節用集』に漿醤が示されています。 |
1487年 | 料理本『四条流庖丁聞書』に垂味噌や薄垂れなどが掲載されています。 |
1559年 | 公家日記『言継卿記』に病気見舞いとしてしょうゆうが掲載されています。 |
1597年 | 通俗辞典『易林本節用集』に醤油の言葉が初めて掲載されました。。 |
1638年 | 松江重頼さんの俳諧論書『毛吹草』で泉州堺のしょうゆが名産として流通している事が記載されています。 |
1640年頃 | 参勤交代によって江戸の人口が増加しました。 関東濃口醬油の生産が始まりました。 |
1647年 | オランダ商人によって樽詰めされた醤油が初めて輸入されました。 |
1666年 | 関西地方で円尾孫兵衛門長徳さんが薄口醬油を開発しました。 |
1698年 | 近松門左衛門さんの世話物浄瑠璃『曽根崎心中』で醤油屋や醤油問屋が登場しました。 |
1781年 | 山口柳井の高田伝兵衛さんによって再仕込みしょうゆが開発されました。 |
1790年 | オランダ東インド会社(後のロスチャイルド・グループです)によって醤油がコンプラ油に詰められて初めて輸出されました。 |
1868年 | 文明開化でソースやケチャップなどの洋風調味料が移入されました。 |
1918年 | 第1次世界大戦後の好景気で醤油の増産が進行しました。 一般家庭に大きく普及しました。 |
1940年 | 満州事変により第2次世界大戦に進行しました。 醤油が統制物資になりました。 |
1942年 | 醤油が配給規制を受けました。 |
1950年 | 醤油規制が緩和されて自由競争化しました。 |
1963年 | 醤油の日本農林規格(JASです)が制定されました。 |
1968年 | 醤油1ℓ(リットルです)パックが登場しました。 |
1973年 | 日本企業が醤油の海外生産が始まりました。 |
1997年 | 醤油容器のリサイクルが始まりました(循環型経済社会です)。 |
2001年 | 醤油PR事業を開始しました。 |
2002年 | 10月01日を醤油の日として定めました。 |