苦土について
作物の収穫に関わる苦土は、畑の収量が変わります。
そして苦土施肥した作物は、リン酸が効いて葉が厚く、
肥料をたくさん吸って病気に強い作物が成長しやすくなります。
しかし、苦土施肥していない作物は、葉が黄色くなったり、薄くて弱々しいです。
特に土の中は、リン酸を中心に食べ残しがいっぱいです。
つまり、根が吸いたくても吸いにくい構造になってしまいます。
ちなみに通常の野菜のリン酸は、
20mg(ミリグラムです)〜60mg/100g(グラムです)が一般的です。
目次
苦土について
苦土は、多量要素肥料です(元肥に追肥する成分です)。
大きな特徴は、葉緑素の核になる重要な成分です。
具体例は、マグネシウムです。
基本的にリン酸がたまっている畑に苦土を投与していきます。
①葉緑素の元
苦土が効くと、葉の緑色が濃くなってテリが出やすくなります。
②酸素反応を活性化
マグネシウムは、色んな酸素反応を活性化します。
③根から新葉や果実に移動する事
苦土がしっかり吸われる事によって、リン酸も一緒に吸われていきます。
植物体内を移動する時に苦土とリン酸が同様に動きます。
ちなみにリン酸は、投与した10%(パーセントです)程度しか吸われないです。
つまり、苦土はリン酸を手助けします。
④流亡しやすい事
植物体内で移動しやすく、吸われる時は吸われていきます。
つまり、土の中は流亡しやすいです。
苦土不足に繋がります。
苦土欠について
苦土欠は、マグネシウム吸収が阻害されてマグネシウム欠乏が発生する事です。
そして苦土は、作物の成長が激しい時期に必要です。
具体例は、展開中の新葉、肥大中の果実などです。
基本的に乾燥、加湿などによって根が傷んで苦土が吸われなくなった時に起こります。
一般的に施肥や土壌改良をしていない畑、
開拓畑で肥料が何も入っていない場所は苦土が足りていないです。
苦土があっても苦土不足になるケースがあります。
肥料は、プラスの電気とマイナスの電気を持っています。
つまり、土にあっても養分同士が争って根に吸いにくい事が起こります。
特に石灰、苦土、カリの養分濃度が高まると争いが激しくなります。
ミネラルバランスを整えていく必要があります。
苦土の追肥について
既に土の中に石灰がある場合は、苦土石灰を投与するとpH(水素イオン指数です)が上がってしまいます。
そして苦土石灰は、追肥に使えません。
つまり、苦土肥料を活用する事が重要です。
ちなみに水素イオン指数は、溶液の酸性やアルカリ性の程度を表す物理量です。
①畑が中性・アルカリ性
中性(pH6.6〜pH7.2です)とアルカリ性(pH7.2以上です)は、
硫酸苦土を使用します(水溶性苦土11%です)。
大きな特徴は、速効性です。
酸性なので土壌の中和力がないです。
元肥、追肥として利用できます。
②畑が酸性
酸性(pH6.5以下です)は、水酸化苦土(溶性苦土50%です)や
苦土石灰(石灰30%程度〜40%程度、苦土15%程度〜17%程度です)を使用します。
水酸化苦土の大きな特徴は、遅効性です。
塩基性なので土壌酸性の中和力があります。
元肥として利用できます。
苦土石灰の大きな特徴は、遅効性です。
溶性なので土壌酸性の中和力があります。
元肥として利用できます。
苦土の活用方法について
①苦土の投与
土の中でたまって動かなかった養分が動き出します。
②光合成活性化
苦土と一緒にリン酸が吸われて、光合成が行われます。
その後、茎葉が成長していきます。
③光合成産物
葉で蓄えられた光合成産物が根によく回ります。
根がよく伸びて根酸もよく出ます。
根の活力と吸収力が高まります。
④吸われにくい石灰も吸われていきます
葉が丈夫になりやすく、果実も美味しくなりやすくなります。
しかし、養分が動き出して吸われる分、
苦土だけではなく石灰やカリなども不足していきます。
つまり、全体的に養分補給していく必要があります。