石灰について
石灰は、作物の病気にかなり強くなりやすいです。
作物が体内から強化されていくからです。
そして石灰は、作物の生育に欠かす事ができない肥料です。
さらに土の酸性を中和にする土壌改良剤として注目されています。
石灰を必要な時に効きやすい形で投与するのが一般的です(追肥です)。
元肥の場合は、有機酸石灰があります。
木酢や竹酢などに溶かして散布する事によって効き目が改善できます。
目次
石灰について
石灰は、カルシウムの補給と酸性土壌の中和に利用されています。
生石灰(酸化カルシウム、CaOです)、消石灰(水酸化カルシウム、Ca(OH)₂です)です。
炭酸カルシウム(CaCO₃です)やカルシウム(Caです)で有名です。
そして消石灰は、生石灰を水で消和して形成します。
さらに炭酸カルシウムは、消石灰と二酸化炭素が反応して形成します。
二酸化炭素と石灰水を混ぜる事によって白く濁ります。
①根を伸長させます。
石灰は、植物の分裂組織(根の先端の生育です)に必要です。
特に石灰を好んで吸収する石灰植物があります。
具体例はトマト、キャベツ、大豆、みかん、葡萄、リンゴ、玉ねぎなどです。
②ストレス耐性
石灰を吸う事で低温、乾燥、病原菌の侵入などに対して、
すぐに感知して対応する事ができます。
③炭水化物を実に移行します
作物は、石灰を生育中期〜生育成熟期にかけて多く必要です。
石灰が同化養分と貯蔵器官(子実です)に移行集積させる働きがあるからです。
④細胞壁の強化
石灰とペクチン酸が結びつく事で作物体の細胞壁が丈夫になりやすいです。
病気に強くなる傾向があります。
植物と石灰の仕組みについて
①交換性石灰
土壌コロイドに吸着された石灰です。
土壌診断で測られる石灰で有名です。
地下に流されたり、土の中の他の養分とくっ付いて
固まったりするので吸われにくいです(溶脱です)。
土壌が酸性化していきます。
特にカリやアンモニアがある場合は、吸いにくいです。
つまり、根は吸えません。
②水溶性石灰
土壌溶液中の石灰です。
カルシウムイオンが単体で水に溶けています。
一定量を超えると、炭酸カルシウムになったり、雨が降る事で流亡したりします。
植物の根が水溶性石灰を吸収すると、交換性石灰や
炭酸カルシウムからわずかに溶け出てきます(お互いに平衡状態です)。
つまり、根は吸えます。
③炭酸カルシウム
難溶性の石灰です。
水溶性石灰ですが、土壌中に炭酸イオンと反応する事によって
次第に炭酸カルシウムになります。
ちなみに炭酸カルシウムは、少量で土壌溶液に溶けたり、
根酸や微生物が出す有機酸に溶けて吸われたりします。
つまり、根酸を出す事で根は吸えます。
④有機酸石灰
有機物を入れている畑に多いです。
カルシウムは分解すると、水溶性石灰に溶け出します。
分解時は、微生物が出す有機酸と結び付いて有機酸石灰になります。
固まったり、流れたりせずにそのまま吸われやすいです。
つまり、根は吸えます。