香ばしい匂いについて
木材を不完全燃焼させると、煙が発生します。
そして煙は、食品を燻す調理方法によって燻製品ができます。
さらに燻製した食品は、煙に含まれているフェノール類によって香ばしい匂いが付着します。
フェノール類は、フェノールと同じ構造を持つ有機化合物です。
大きな特徴は、香りや苦味などを持つ炭素の六角形です。
目次
香ばしい匂いについて
フェノール類は、芳香族置換基上にヒドロキシ基を持つ有機化合物です。
基本的にC₆H₅OHです。
6個の炭素(Cです)が形成するベンゼン環構造によって、
1個のヒドロキシ基(-OHです)が付着しています。
そしてベンゼン環に2個以上のヒドロキシ基が付着したモノは、ポリフェノールです。
具体例は、コーヒー、お茶、ワインなどです。
コーヒーに含まれているクロロゲン酸は、ポリフェノールの1種です。
ベンゼン環を含んでいる有機化合物は、芳香族化合物です。
主に医薬品、塗料、繊維などを形成する材料に利用されています。
そして燻製の良い香りは、400種類以上の成分があります。
様々な酸やアルコールが誕生して、食品に色と香りを付与します。
ちなみに木材に含まれているセルロースは、ベンゼン環がないです。
フェノール類の種類について
①ジブチルヒドロキシトルエンは、脂溶性の抗酸化剤や食品添加物です。
②ビスフェノールAは、合成樹脂の原料です(内分泌攪乱化学物質です)。
③クレゾールは、コールタールやクレオソート油に含まれています。
④エストロゲンは、ホルモンです。
⑤オイゲノールは、クローブの精油の主成分です。
⑥没食子酸は、水溶性タンニンの基本骨格です。
⑦グアイアコールは、焙煎したコーヒー豆や
ウイスキーなどに含まれるている煙風の匂いの成分です。
⑧ピクリン酸は、爆発物です。
⑨フェノールフタレインは、酸塩基指示薬です。
⑩セロトニン、ドーパミン、アドレナリン、ノルアドレナリンは、神経伝達物質です。
医薬品向けフェノール類の種類について
①カンナビノイドは、大麻に含まれている成分です。
②ジエチルスチルベストロールは、スチルベン骨格を持つ合成エストロゲンです。
③L-ドーパは、パーキンソン病の治療薬です。
④サリチル酸メチルは、消炎剤や鎮痛剤です。
⑤プロポフォールは、麻酔剤です。
⑥シロシンは、幻覚剤の効果を持つアルカロイドです。
⑦サリチル酸は、鎮痛剤・解熱薬・抗炎症薬としての効果を持つ植物ホルモンです。