ディスクブレーキとドラムブレーキについて

オートバイの制御装置は、ディスクブレーキが主流です。

そしてディスクブレーキは、車輪とともに回転する金属の円盤を

摩擦部材(パッドです)で両側から挟み込む事によって制動します。

基本的に航空機、新幹線、自動車、バイク、自転車などに使用されています。

さらにドラムブレーキは、軸とともに回転する円筒形状の部材(ドラムです)に

制輪子(ブレーキシューです)を押し付けて制動します。

基本的に高級車、1960年代までのスポーツカーなどに使用されています。

目次

ディスクブレーキとドラムブレーキについて

ディスクブレーキは、回転するディスクローター(円盤部品です)に

摩擦パッド(摩擦材です)を押し当てて回転を止めていきます。

ホイールに平行して円盤(ディスクです)を中央に配置していて、

左右からブレーキパッド(摩擦パッドです)で挟み込む事で車輪の回転を減速や停止させます。

さらに、ディスクローターが剥き出しになっています。

放熱性に強く、濡れた場合も遠心力によって乾燥がしやすいです。

 

ドラムブレーキは、車輪の中央で回転する円筒に

内側から摩擦材を押しつける事で回転を止めていきます。

円筒は、ホイールハブ(車にタイヤを装着する金属部品です)と

一体化しています(ブレーキドラムです)。

しかし、密閉されたドラム内で摩擦をよる熱が生じます。

摩擦力が低下するフェード現象が起きやすいです。

さらにドラム内に水が入った場合は、乾燥がしにくいです。

ディスクブレーキの種類について

ブレーキペダルを踏んだり、ブレーキレバーを握ったりすると、

マスターシリンダー(ブレーキフルードのタンクです)内のピストンがフルードを加圧して

圧力を受けたキャリパーピストンが摩擦パッドを押します(ディスクを挟み込みます)。

さらにキャリパーピストン(ブレーキパッドの動きを制御する部品です)は、

ブレーキキャリパー内に収まって油圧を受けてブレーキディスク(ローターです)を

両側から摩擦パッドで挟み込みます。

ちなみにブレーキフルードは、自動車の油圧式ブレーキを作動させる為に使用する油です。

 

ちなみにピストンを増やすと、個々のピストン径を小さくする事によって、

ディスクのより外側を挟む事ができます。

ディスクローターの回転を止める力は、テコの原理で

回転の中心からより遠い場所を押さえた方が大きくなるからです。

つまり、円盤の回転を抑える時に内側を挟んで抑えるよりも

外側を挟んだ方が小さな労力で済みます。

 

さらにオートバイの場合は、片側に2個以上のピストンを備えているキャリパーがあります。

ピストンを同径に備えるのではなく、異径にする事で回転方向の後側は

摩擦パッドの消耗が増える事を防ぐ事に繋がります。

異径ピストンは、後方のピストンが小径になります。

 

①片押し式ブレーキキャリパー

片側にだけピストンが備えられています。

片方だけの摩擦パッドを押し込んでディスクを2枚の摩擦パッドで両側から挟み込みます。

ブレーキフルードの油圧は、片側の摩擦パッドのみを押してディスクローターに

摩擦パッドが押しつけられる圧力でキャリパーボディがスライドして

反対側の摩擦パッドもディスクローターに押しつけられます。

 

②対向式ブレーキキャリパー

ディスクローターを挟んで、両側にピストンが備えられています。

ローターを挟む両方の摩擦パッドをそれぞれのピストンが押し込みます。

特にレスポンスの良さが大きいです。

ピストンが多くても、ディスクローターを挟む力が増加する事に繋がりません。

ドラムブレーキの種類について

半円状のブレーキシュー(ブレーキ部品です)が2つあります。

ブレーキドラム内に配置されていて、それぞれの片方の下部位は、

アンカーピンで留められています。

そしてブレーキシューの反対側の端は、カム(運動の方向を変える機械要素です)に

それぞれ当たっていてロッドやワイヤーによってカムが回転すると、

2つのブレーキシューがアンカーピン(固定部品です)を支点に押し広がります。

つまり、両側に開いた2つのブレーキシューが

ドラムに押し付けられて摩擦によって制動します。

 

①リーディングシュー

ドラムとともに回転する進行方向側のブレーキシューです。

アンカーピンで留められているので、回転できません。

つまり、ドラムに密着しようとする力が発生します。

 

②トレーリングシュー

ドラムとともに回転する反対方向側のブレーキシューです。

カムがブレーキシューを突っ張っているので摩擦力が下がる事はないです。

つまり、ドラムから離れようとする力が発生します。

ディスクブレーキの方程式について

パスカルの原理を採用しています。

公式は、キャリパーのピストンの総面積÷マスターシリンダーのピストンの面積=力です。

特に油圧式ディスクブレーキです。

そしてパスカルの原理は、閉じ込められた気体や液体の1部に圧力を加えると、

圧力の増加分が同じ強さで液体の全ての方向に伝達します。

ブレーキレバーやブレーキペダルによる小さな入力で

キャリパーピストンに大きな力が発生します。

つまり、ブレーキパッドを力強くディスクに圧着できます。

現在は、機械式バイクよりも油圧式バイクが主流になっています。

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