吸収式冷凍機について
吸収式冷凍機は、吸収力の高い液体に冷媒を吸収させて発生する低圧によって、
別の位置の冷媒を気化させて低温を得る冷凍機です。
そして冷媒は、冷凍サイクル中を循環して熱を伝達する物質です。
温度と圧力が低い状態は、蒸発(液体から気化する事です)現象によって熱を吸収して、
熱を高い圧力の冷媒として、凝縮(気体を液体化する事です)現象によって放出します。
目次
吸収式冷凍機について
吸収式冷凍機は、エネルギー源として動力の代わりに、ガス、水蒸気、高温水を使用します。
冷媒が蒸発した時の蒸気を比較的多量に吸収できる性質を持つ
吸収液を利用して、冷水を作るモノです。
そして冷媒は、清浄な水、吸収液に
臭化リチウム(リチウムブロマイドです)水溶液を使用しています。
①単効用吸収式冷凍機
低温排熱を高温熱源で汲み上げて、加熱する構造です。
冷媒が蒸発器で気化して周囲の熱を奪います。
そして水蒸気を吸収器で吸収液が吸収して、
吸収液は再生器で加熱させて水蒸気が放出されます。
さらに水蒸気は、凝縮器に送られて、冷却されます。
液化して蒸発器に戻ります。
結果的に冷凍サイクルを継続させる事で冷凍効果が得やすくなります。
②二重効用吸収式冷凍機
高温再生器で発生した水蒸気で低温再生器を加熱する構造です。
基本的に単効用吸収式冷凍機よりも蒸気消費量は、
50%(パーセントです)程度〜60%程度少ないです。
つまり、高音用再生器と低温用再生器を使用します。
吸収液(臭化カリウムです)の濃縮、冷媒の再生が効率的に行います。
直だき吸収式冷凍機について
直だき吸収式冷凍機は、高温再生器をガスと灯油などで直接加熱する方式です。
二重効用吸収式冷凍機の加熱源を水蒸気や高温水に替えて、
ガスや灯油などで加熱します。
冷却水で吸収器と凝縮器を冷却します。
そして、機内の真空度を保つ為に抽気装置(不凝縮ガスを抜く装置です)を使用します。
冷水と温水を同時や別々に取り出す事ができます。
高温再生器内の圧力が大気圧以下なのでボイラー関係法規の適用が受けないです。
最近は、太陽熱による温水を加熱源として利用されています。
つまり、冷暖房の同時使用が可能です。
ヒートポンプについて
冷凍機は、蒸発器で空気や水から熱を吸収して冷房すると同時に、
凝縮器で空気や水に熱を放出しています。
つまり、ヒートポンプは凝縮器が行う加熱作用を暖房や給湯に利用するモノです。
吸収式冷凍機の用語集について
①蒸発器
凝縮器で液化した冷媒(水です)を真空状態にして、
蒸発に必要な潜熱を奪って冷水を作ります。
②吸収器
蒸発器で発生した水蒸気を吸収液に吸収させて、吸収器内を真空状態にします。
真空状態になると、熱が発するので冷却水によって冷却します。
③再生器
吸収器から送られてくる濃度が低い吸収液を蒸気で加熱して、
吸収液内の水を分離させて、水蒸気として凝縮器に送ります。
吸収器に濃度が高くなった吸収液を送ります。
④凝縮器
再生器で分離した水蒸気が冷却水によって冷却させて、
液化されたモノを蒸発器に送ります。