土壌の基礎知識
農地の土壌は、人為が強く影響を及ぼしています。
そして水田土壌は、元々は自然が形成した土壌です。
しかし、人間が畦を造って水を張った事で独特な断面構造を持った土壌が仕上がりました。
さらに生物を養っている土壌は、長い自然の恵みによって風化の風化物と
動植物の岩石の風化物と動植物の遺体分解物からできています。
目次
土壌の基礎知識について
土壌は、農業向けの土です(自然条件や環境によって生成した自然体です)。
地形、気候、生物の影響を受けて、有機物と無機物が組み合わさったモノです。
一般的に風化・堆積作用(岩石から砂ができます)が始まって、
土壌生成作用(団粒構造ができます)が行われます。
ちなみに土は、岩石が分解して地表に溜まったモノです。
団粒構造は、小粒の集合体を形成している構造体です。
土壌の三相構造は、養分の保持や植物の生育に大きな影響があります。
①固相は、土壌粒子や動植物分解物です(40%です)。
根を支えて、養分供給を調節します。
固相 | 土の性質 |
---|---|
50%以上 | 固いです。 |
40%前後 | 良好です。 |
30%前後 | 柔らかいです。 |
②液相は、水です(30%です)。
水と養分を根に供給します。
③気相は、空気です(30%です)。
酸素供給を調節します。
作物の栽培に適した土壌は、降雨による水が適度に保持される事と
適度に排水される事が必要です。
そして、根に十分な酸素と水に溶けた肥料成分を供給する事が重要です。
土壌に適度な孔隙(隙間です)がいるので、土壌に団粒構造を発達する事が大事です。
つまり、団粒構造の形成は結城性、養分の保持、排水性、保水性が大きいです。
土壌の生成について
①母岩の崩壊
地表の風化されていない岩石(母岩です)が気候によって、風化を受けて崩壊します。
破片が母岩上に堆積します。
②土壌母岩の移動
急傾斜地で雨の多い日本は、母岩の破片が河川によって運搬されます。
小さく削られた母岩の破片は、石や砂になって下流に移動します。
ちなみに火山地域は、火山灰の噴出物が地表に堆積します。
③土壌化
砂や火山灰などから水に溶け出した無機物が反応します。
粘土鉱物(微細な粒子です)が生成されます。
地表に堆積した鉱物質粒子の層上に地表類や微生物が棲みつきます。
植物の遺体は、微生物が分解や腐植(土壌有機物です)して堆積します。
④土壌化の進行
溶け出した無機物、砂の粒子、粘土鉱物などが増えて、団粒構造が形成されていきます。
土壌層が、地表から腐植の豊富な土層、粘土や鉄化合物の集積した土層、
母岩の崩壊物と母岩に分化されます。
土壌有機物について
土壌有機物は、微生物による有機物が分解しにくい有機化合物です。
別名は、腐植です。
基本的に土壌中に腐植物質が多い程、地力が高いです。
さらに農耕地は、作物安定化の為に毎年、堆肥の有機物を田畑に入れます。
有機物は、炭素を含んだ物質です。
落ち葉(有機物の例です)が土壌に施されて、微生物が分解します。
その後、黒色の有機化合物に変化します。
そして土壌中の動植物の遺体が分解や変化して土を黒くしていきます。
黒い物質は、腐植を含んでいる土です。
①アルミニウムの不活性化
火山灰土の土壌に多く含まれているアルミニウムが、リン酸と結合します。
作物がリン酸を吸収できない状態になるので、腐植と結合して不活性化します。
リン酸の可給化です。
②無機養分を保持
腐植物質は、陽イオンの吸着力が大きく保肥力を高めます。
腐植が豊富な土壌は、肥料の持ちが良いです。
③生理活性
腐植は、植物生長ホルモンであるサイトカイニンやオーキシンなどを含んでいるので、
生長促進の効果が期待できます。
根の量が多くなって、障害に強い作物が育成しやすいです。
砂ばかりの場合は、透水性が強く、保水力が弱いです。
粘土かりの場合は、保水力が強く、透水性が弱いです。
しかし、腐植の役割(物理的や電気的に結合させます)で砂と粘土が適度に混ざります。
水捌けが良く、保水力も優れています。