ミサイルの設置場所について

大陸間弾道弾は、相手からの核攻撃に対して脆弱性があります。

つまり、先制攻撃に対して残存性を高める事が大きな課題です。

自国のミサイルを相手の攻撃から防護する場合は、様々な対策があります。

最近は、大陸間弾道弾のロケットの性能向上、核弾頭の小型化が主流です。

発射時に発射装置が垂直方式にして発射されます。

移動式の場合は、弾道弾の存在場所を隠蔽して残存性を高める事ができます。

目次

ミサイルの設置場所について

大陸間弾道弾の発射は、地下サイロ(倉庫です)から行います。

 

①地表面下に掘られた無数の長い横穴を移動する方式

ミサイルは、貨車に横積みします。

発射の指示によって、横穴を破ってミサイルが貨車の発射されます。

ミサイルの貨車は、一定期間毎に移動されるので上空からミサイルの位置が確認できません。

敵国からの核ミサイルの攻撃がある場合は、残存する確率が高いです。

さらに、報復攻撃も可能です。

 

②地下深く掘られたサイロ式

縦穴にミサイルを格納して地表面が銅材で壺化しています。

核攻撃から保護する事もできます。

発射時は、壺を開けてロケットに点火します(ホットランチです)。

しかし、ロケットの噴射ガスによって高温と高圧が発生します。

縦穴を破損するので再利用が難しいです。

 

③再使用可能なコールドランチ方式

縦穴の最下部にピストンを設置します。

そして、ピストンの上にミサイルを立てて置きます。

ピストンの下側に高圧の気体を入れた畜圧装置と配管で結ぶ事で、

発射時に配管のバルブが解放されてピストンを上方に持ち上げる事が可能です。

さらにミサイルは、地表にピストンと共に移動します。

地表に出てからは、ミサイルが点火されて垂直に上昇します。

つまり、発射による発射装置が損傷を受ける事がないです。

最近は、高圧ガスのカタパルト型が主流です(弾道弾の射程が延伸します)。

ミサイルの設置例について

①ホットランチ方式

発射後にサイロが損傷する方法です。

具体例は、タイタンI型(アメリカ合衆国です)、タイタンⅡ型(アメリカ合衆国です)、

ミニットマン(アメリカ合衆国です)、RS-28(ロシア連邦です)などです。

●タイタンIは、アメリカ初の多段式大陸間弾道ミサイルです。

●タイタンⅡは、液体燃料ロケットを使用した2段式大陸間弾道ミサイルです。

●ミニットマンは、固体燃料ロケットと核弾頭を搭載した大陸間弾道ミサイルです。

●RS-28は、ミサイル防衛システムに対応した大陸間弾道ミサイルです。

 

②コールドランチ方式

発射後にサイロが損傷しない方法です。

具体例は、R-36(ロシア連邦です)、

LGM-118A ピースキーパー(アメリカ合衆国です)などです。

●R-36は、冷戦中に開発した核弾頭を搭載した大陸間弾道ミサイルです。

●LGM-118A ピースキーパーは、アメリカ初のコールドローンチ式大陸間弾道ミサイルです。

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