食品用ラップフィルムについて
食品用ラップフィルムは、素材によって性質が異なります。
ポリ塩化ビニリデン製は、酸素透過度(592程度です)と透湿度(12程度です)が高いです。
耐熱温度は、140℃(度です)程度です。
ポリエチレン製は、酸素透過度(12万8000程度です)と透湿度(30程度です)が一般的です。
耐熱温度は、110℃程度です。
ポリメチルペンテン製は、酸素透過度(49万4000以上です)と
透湿度(150以上です)が低いです。
しかし、耐熱温度は180℃程度です。
ちなみに酸素透過度と透湿度は、数字が小さい程効力が大きいです。
耐熱温度は、数字が大きい程効力が大きいです。
目次
食品用ラップフィルムについて
食品用ラップフィルムは、食材や料理を包んだり、
皿など食器を料理ごと包む際に利用されている樹脂フィルムです。
食器に食品用ラップがくっつく事は、力が作用しています。
物質の分子と分子が近接すると、分子間の引力が働きます。
お互いにくっつこうとするファンデルワールス力が作用します。
そしてファンデルワールス力は、接する面積が大きくなると、強く作用します。
しかし、ラップフィルムの表面は平らで面積で広いので、より強く働く事が可能です。
●ファンデルワールス力は、分子間力の1種です。
分子と分子との間に働く弱い引力の事です。
つまり、相互距離の7乗に反比例です。
家庭で使用されているほとんどの食品用ラップフィルムは、
ポリ塩化ビニリデンから形成しています。
そしてポリ塩化ビニリデンの主な原料は、約70%(パーセントです)程度が塩です。
塩化ナトリウムは、塩素が含まれているのでマイナスの電気を引き寄せやすいです。
つまり、ラップフィルムの表面はマイナスの電気を帯びています。
プラスの電気を帯びている食器と結びつこうとするので、
静電気的結合(現象です)が生じます。
●ポリ塩化ビニリデンは、ポリエチレンよりもくっつく性質が強いです。
酸素や水分を通しにくく、食品の鮮度を保つ事が可能です。
ラップフィルムの柔軟性によって、減圧吸着の作用があります。
ガラスや陶磁器は、ピッタリくっつきやすいです。
しかし、ステンレスや木製の食器はくっつきにくいです。
主な要因は、表面積です。
平らに見える食器は、表面が凸凹になっています。
ラップフィルムと接触すると、面積が小さいので接着力を発揮にしにくいです。
つまり、ラップフィルムの表面は小さな粘り気があります(接着力に繋がります)。
●減圧吸着は、圧力の差によるモノをくっつける事です。
吸盤がモノにくっつく原因が減圧吸着による力が働いています。
ファンデルワールス力について
①ガラス皿
凸凹が少ないです。
ラップフィルムやガラスは、ファンデルワールス力によって
ラップフィルムとガラスが近づきやすくなります。
つまり、ピッタリくっつきやすくなります(ファンデルワールス力が強く働きます)。
②木の皿
凸凹が多いです。
ラップフィルムと木製が近づきにくくなります。
つまり、ピッタリくっつきにくくなります(ファンデルワールス力があまり働かないです)。
ポリ塩化ビニリデンについて
ポリ塩化ビニリデンは、炭素原子、水素原子、塩素原子で構成されています。
大きな塩素原子が詰まっているので、ポリ塩化ビニリデン分子が振動しにくくなります。
つまり、外部からの酸素原子が通る隙間が形成しにくくなります。