缶コーヒーの基礎知識【初心者講座~上級者講座】
900年頃、アラビア人医師によって発表された文献によると、
コーヒーに消化、利尿、強心などに効果がある事が明らかになりました。
そしてコーヒーが日本に伝わった1641年は、
長崎の出島にあるオランダ商館に駐住していたオランダ人によって伝達されました。
さらに当時は、役人や商人などの限られた人々だけがコーヒーを味わっていました。
ちなみに日本初のコーヒー店は、1888年に出店していた東京都にある可否茶館です。
目次
缶コーヒーの基礎知識について
缶コーヒーは、すぐに飲むことができる缶入りコーヒー飲料品です。
別名はコーヒー飲料、コーヒー入り清涼飲料、乳飲料などです。
基本的に自動販売機、駅売店、コンビニエンスストア、
スーパーマーケットなどで販売されています。
1969年、UCC上島珈琲株式会社は世界初の缶入りミルクコーヒーを発売しました。
そして生豆を焙煎や粉砕して、ドリップ化(コーヒーを漉し出す事です)します。
砂糖やミルクなどを調合して味などのチェックを行った後、
洗浄した缶に充填、殺菌、冷却をして完成です。
缶コーヒーの工場見学について
①豆の加工
厳選された豆を焙煎して粉砕します。
豆の加工とドリップまでは、缶コーヒーも通常のコーヒーと同様に造られます。
世界各地から運ばれてきた生豆を大量に焙煎して、粉砕器にかけてひいて粉状にします。
②コーヒー液作り
大きな機械でドリップ後に砂糖やミルクを調合します。
1回の抽出で2000ケース分、6万杯分のコーヒー液ができます。
霧状に湯を噴出する事で、コーヒーの粉に湯がまんべんなく行き渡ります。
ドリップ後のコーヒー液は、砂糖やミルクなどを調合していきます。
ちなみに抽出されたコーヒーに牛乳を混ぜると成分が分離します。
コーヒー自体はやや酸性なので、牛乳と混合するとタンパク質の塊ができます。
つまり、牛乳と混ぜる前にコーヒーに重曹(炭酸水素ナトリウムです)を入れて整えます。
③充填(隙間や亀裂を防ぐ事です)
コーヒー液を検査して缶に入れます。
砂糖、ミルク、乳化剤などを調合したコーヒー液は、
缶に充填する前に品質の最終チェックが行れます。
その後、底ぶたが開いている状態で缶を洗浄して、
1分間に1300本程度の速さでコーヒー液を充填します。
缶の洗浄は、噴射する水の中に空き缶をクグさせて細かいゴミなどを取り除いていきます。
主な最終検査は溶け込んでいる成分濃度、液体検査、味覚検査などです。
④殺菌と冷却
完成後、1週間程度保管して成分を安定化させます。
充填された缶コーヒーは殺菌処理や冷却されて梱包します。
殺菌は、約30分程度かけてゆっくりと缶を回しながら偏理りなくして、
120℃(度です)以上で行っていきます。
熱処理後は、コーヒー成分の不安定さから味が薄く感じられるので、
7日程度保管して成分を安定させた後に出荷します。
主な風味劣化対策についてです。
①適切な殺菌をする。
②抽出や製造時に使用する水は、イオン交換水を採用する。
③内部を樹脂材によってコーティングした缶を採用する。
④洗浄した缶に高温と充填して、密封後の缶内を真空状態にする。
ちなみにほとんどの食品は、熱を加える事で風味が変わって、時間が経つと劣化します。
缶コーヒーは殺菌する為に加熱をするので、ミルクコーヒーも同様で味や香りが劣化します。