バニラについて

マダガスカルにバニラの鞘が高価で販売しています。

そして、観光客向けよりも富裕層向けに近い価格帯です。

実は、高価な香辛料の1つです。

ヴァニラの豆を乾燥化したモノが収益性の高い商品になりました。

現在は、アイスクリームの風味付けとして活用しています。

バニラについて

バニラは、ラン科バニラ属の常緑の蔓性植物です。

たばこ、カカオ飲料、香水などの香り付けとして使用している世界で2番目に高価な香味料です。

原産地は、メキシコ、中央アメリカです。

 

メキシコ先住民であるトトナコ族は、バニラビーンズによるバニラ栽培が始まりました。

1428年、アステカ族がトトナコ族を征服してアステカ帝国が成立しました。

1519年、アステカ第9代君主として活動していたMoctezuma II(モクテスマ2世です)

さんが、アステカ帝国に訪れたスペイン人にショコラトルを贈呈しました。

 

アステカ帝国に辿り着いたスペインのコンキスタドールとして活動していた

Hernán Cortés de Monroy y Pizarro(エルナン・コルテス・デ・モンロイ・イ・

ピサロ)さんは、Moctezuma IIさんからショコラトルを貰いました。

独特なバニラの風味があったので、ヨーロッパ人が初めてバニラの存在を知りました。

●コンキスタドールは、スペインのアメリカ大陸侵略者です。

●ショコラトルは、カカオを粉末化した飲料品です(チョコレートです)。

風味は、アナトー種、チリ・ペパー、バニラなどです。

アステカ帝国時代の高価な飲み物です。

 

1521年、Hernán Cortés de Monroy y Pizarroさんがアステカ王国を侵略しました。

バニラをヨーロッパに持ち込みました。

チョコレート、唐辛子、トマトなどは、ヨーロッパへ持ち込まれました。

南アメリカ大陸でラン科のバニラの花が、蜂や蜂鳥などによって受粉が行われます。

スペインは、バニラ生産を厳格に管理しました。

チョコレート製造も同時並行で行いました。

 

1600年代、イギリス王室がアイスクリームを愛用しました。

チョコレートを使わないバニラ風味の砂糖菓子が

テューダー朝第5代最後の君主として活動していた

Elizabeth I(エリザベス1世です)さんが、愛用しました。

植民地で作られた砂糖と組み合わさる事によって、バニラアイスクリームや

クリームブリュレなどのバニラを利用した富裕層向けのお菓子が発明されました。

1700年代、フランスでアイスクリームの香味料としてバニラが使われるようになりました。

 

1880年、バニラはモーリシャス島に持ち込まれました。

その後、インドネシア、ブルボン諸島、タヒチ、マダガスカルへ伝来しました。

しかし、栽培農家は大きな問題を抱えました。

ラン科のバニラの花の受粉を媒介する昆虫がいなかったので、人間を採用しました。

人が小さい棒を使用して、手作業で1つ1つ花に受粉を行いました。

6ヶ月程度〜9ヶ月程度の月日を経て、収穫していきました。

発酵を促す為に毛織りの毛布に包んで、

数ヶ月程度の機密性が高い金造容器の中で発酵をさせました。

つまり、バニラ生産は高価で収穫に要する労力が大きいです。

 

1841年、マダガスカル沖にあるブルボン島(レユニオンです)で

発明家として活動していたEdmond Albius(エドモン・アルビウスです)さんは、

バニラの人工栽培に成功しました。

人工授粉法によって、マダガスカルでバニラの大規模生産が始まりました。

特にブルボン島産のバニラは、ブルボンバニラとしてフランスが巨万の富を得ました。

しかし、Edmond Albiusさんは奴隷者だった事で訴訟に巻き込まて、

高額報酬を得られませんでした。

1900年、奴隷から解放された後に貧窮で亡くなりました。

ちなみに、当時ブルボン島とマダガスカルはフランスの領土です。

 

1914年、メキシコ革命(民主革命です)によってメキシコのバニラ農場は全て閉鎖しました。

1932年、メキシコに大規模な油田が発掘された事で、

バニラ産業から石油産業に移り変わりました。

メキシコの森林が大規模に伐採されたので、高温多湿な気候が変動しました。

つまり、メキシコのバニラ農業が大打撃を受けました。

結果的にマダガスカルが世界最大のバニラの生産地になりました。

 

2015年、世界的な健康志向によって、バニラ天然原料の取引価格の需要が伸びました。

マダガスカルが干ばつやサイクロンなどの壊滅的な被害を受けた事で価格上昇を続けました。

2017年、一時的に2015年の7倍程度の

1kg(キログラムです)当たり635ドルにまで高騰しました。

当時は、銀よりも高い香料になりました。

現在は、マダガスカルにバニラ生産をしています。

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