信託と信託銀行について
投資をする場合は、自分で判断しなければなりません。
多種多様の金融商品がありますが、
自分で運用する代わりに専門家にお願いする方法があります。
信用して託す事によって、資産運用や財産の安全や保全などを実現する事ができます。
そして、慎重に信託を選ぶ事が重要になっていきます。
目次
①信託について
信託は、委託者(ある人です)が信託行為(信託契約などです)によって、
その受託者(信頼者です)に対して土地や建物などの財産を移転して、
受託者が設定した信託目的に従って受益者(委託者の指定する人です)の為にその財産の管理や処分などをする制度です。
これは、受託者との間の信頼関係に基づく制度です。
●委託者…有価証券(お金や国債などです)などを受託者に信託する側です。
●受託者…委託者から財産を引き受けて、信託の目的に従って管理や処分をします。
信託業の担い手であり、金融機関や信託会社などです。
●受益者…信託財産から生じる利益を受け取る側です。
受益者は、誰でもなる事ができます
項目 | 主な内容 |
---|---|
信託目的 | 委託者が信託する事によって目的を達成しようとする行為です。。 |
信託財産 | 委託者が受託者に信託する財産です。 具体例は有価証券(株式、債券などです)、土地、建物、 知的財産権(著作権、特許権などです)などです。 |
②信託銀行について
信託銀行は、銀行業務と信託業務を両立して運営している信託銀行という商号をもつ銀行です。
信託銀行などで取り扱っている主な金融商品が金銭信託です。
金銭信託は、信託銀行などが利用者の代用として、
お金などを管理や運用する金融商品です。
金銭信託の収益金は、基本的に一律20.315%の源泉分離課税が適用されています。
障害者の場合は、一定の手続きにより利子非課税制度が適用されます。
これは、元本350万円までの収益金は非課税です。
項目 | 主な内容 |
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銀行業務 | 預金業務、貸出業務、為替業務、 付属業務(有価証券の売買、デリバティブ取引などです)などです。 |
信託業務 | 証券信託業務(投資信託などです)、資産流動化業務(金銭債権、不動産などです)、 年金信託業務などです。 |
併営業務 | 証券代行業務(株主名簿管理などです)、不動産関連業務(売買仲介などです)、 相続関連業務(遺産整理などです)などです。 |
③金銭信託について
金銭信託は、信託銀行が顧客から受け入れた多数の信託金を運用範囲内で合同して運用します。
その収益は、信託金額に応じて支払われます。
元本を信託銀行が保証する元本補てん契約があります。
信託方法は、主に2種類に分類されます。
●金銭信託積立型…継続的に積立て、
最終積立日以後一定の据置期間を置いた後に一括して受け取る型です。
●金銭信託据置型…当初の信託金を満期時までに据置く型です。
このように、元本分割交付の特約や信託期間の自動延長に関する特約などの特約があります。
注意点としては、中途解約です。
基本的には、信託期間中は解約はできません。
中途解約すると所定の解約手数料が発生します。
項目 | 主な内容 |
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預入れ | 5000円以上の1円単位です。 |
信託期間 | 1年以上です。 |
予定配当率 | 預貯金の利息は、相当する収益金の配当率は信託期間中に変動します。 各信託銀行が独自に決めています。 |
収益金(配当金です) | 予定配当率により、03月、09月の各25日の決算ごとに算出されます。 その翌日に支払われます。 収益金は、その都度受け取る型と元本に組入れて複利運用型があります。 |
適用制度 | 預金保険制度 |
④実績配当型金銭信託について
実績配当型金銭信託は、予定配当率を明示せずに信託期間中の運用実績に応じて、
配当を支払う実績配当型の信託商品です。
注意点としては、中途解約です。
基本的には、信託期間中は解約はできません。
中途解約すると一定の日に所定の解約調整金が発生します。
項目 | 主な内容 |
---|---|
預入れ | 基本的には、30万円以上です。 募集時に最低金額が決定されます。 |
信託期間 | 各商品によって違います。 |
予定配当率 | 実績配当なので明示されません。 |
収益金(配当金です) | 予定配当率により、03月、09月の各25日の決算ごとに算出されます。 その翌日に支払われます。 収益金は、その都度受け取る型と元本に組入れて複利運用型があります。 |
適用制度 | 預金保険制度は適用していません。 |
⑤その他の信託について
公益信託…公益活動の為に自らの財産を提供しようとする個人、
又は利益の一部を社会に還元しようとする企業等が自らの財産を信託銀行などに信託して、
信託銀行等は定められた公益目的に従って、
その財産を管理や運用して公益の為に役立てようとする制度です。
これは、個人や企業等の善意に支えられていて奨学金の支給、
町づくり、自然環境保護活動への助成等で活用されています。
後見制度支援信託…後見制度を本人の財産管理面でバックアップする為の信託です。
これは、家庭裁判所の関与の元で、信託契約の終結、一時金の交付、信託の変更などが行われます。
安全に本人の預貯金などを保全する事ができます。
特定寄附信託…信託された金銭を運用収益とともに、
信託銀行等と契約した公益法人等内の、委託者である寄附者が指定した公益法人等に寄付して、
公益の為に活用する信託です。
これは、委託者である寄附者が寄付する公益法人等を指定する事ができて、
寄附先からの定期的な活動報告によって活動状況を知る事ができます。
さらに、寄附者が寄附金控除等を受けられたり、
運用収益が非課税となる税制上の優遇措置もあります。
遺言代用信託…本人が自分の生存中は自分を受益者として、
死亡後は自分の配偶者や子供などを受益者とする信託です。
特定贈与信託…特定障害者の方の生活の安定を図る事を目的として、
ご親族等が有価証券や金銭等の財産を信託銀行等に信託するモノです。
これは、特定障害者の方については6000万円、
特別障碍者以外の特定障害者の方については3000万円を限度とした贈与税の非課税が適用されます。
ちなみに、相続税法の特定障害者に対する贈与税の非課税制度です。