国債のデフォルトについて

現在、日本の国債(日本の借金です)は発行残高が1000兆円を超えています。

つまり、国民1人当たり約800万円程度です。

毎年10兆円規模の新しい国債を発行しています。

返済できずに破綻してしまう考え方もありますが、国債がデフォルトしないとは限りません。

経済が不安定な国家は、国債のデフォルトが生じています。

2014年〜2020年、アルゼンチン国債が

9回も投資家に対して支払いが滞る事態が発生しているからです。

目次

国債のデフォルトについて

国債がデフォルト状態になる状態は、国債の買い手がいなくなった時です。

 

2009年、ギリシャ危機が発生しました。

ギリシャの政権交代によって、財政赤字の隠蔽が明らかになりました。

ギリシャ政府の財政再建計画が楽観的な回答をした事で、

ギリシャ国民は政府に対する不満が募りました。

その後、デフォルトへの不安から格付会社がギリシャ国債の格付けを引き下げました。

ギリシャ国債の価格が下落して、欧州連合(EUです)の通貨であるユーロに影響しました。

 

ギリシャ国債の信用不安でユーロ価格も下落しました。

そして、財政赤字を抱えているイタリア、ポルトガル、

アイルランド、スペインなどの国債価格も下落しました。

つまり、EU全体的にユーロ危機が生じました。

 

ユーロ危機が生じた結果、ギリシャは緊縮財政政策を実行しました。

国際通貨基金(IMFです)、欧州連合、欧州中央銀行(ECBです)の

3者間による融資によって、ユーロ危機を打破しました。

ギリシャを救済した理由は、フランスやドイツが主な債権国だったからです。

つまり、ギリシャは国内産業が停滞化して

海外投資家の比率が高かった事でデフォルト危機に繋がりました。

日本のデフォルトについて

日本の国債がデフォルトするリスクは、極めて低いです。

特に日本は、過去に1度もデフォルトした事がない国です。

 

税収だけで国家運営すると、政府は国債を発行する必要がないです。

主に国債を発行する場合は、歳出を賄えない時です。

つまり、毎年新しい国債を発行しても、国債の買い手がいる限り安全です。

過去の国債を返せない事がないからです。

 

日本の国債は、ほとんどが国内投資家によって引き受けられています。

大きな特徴は、自国通貨の円で国債を発行できる事です。

低金利ですが、安全性が高い資産として海外投資家からの信用度が高いです。

通貨を自ら制御できるので、金融政策の自由度の幅が広がります。

国家は、最終的に自治体や企業に不可能な通解の追加発行で国債を償還できます。

ちなみにギリシャ危機の場合は、ギリシャ国債がユーロ建てだったからです。

 

しかし、インフレーション(物価高騰です)を招く危険性があります。

紙幣の発行で借りた資金を返す事はできますが、

ハイパーインフレーション(全ての商品の価格が上昇して

現地通貨の実質的な価値が急速に失われていく現象です)になります。

つまり、貨幣の購買力(商品・サービスを買う事ができる資力です)が低下します。

国債の買い手について

①中央銀行

金融市場の資金量を増やす為に国債を買います。

しかし、インフレ気味になると、国債の購入を控えます。

中央銀行が購入できる国債は既発債に限られています。

無制限の購入は、インフレを招く恐れがあるからです。

 

②国内投資家

資産を安全性が高い国債に換えて運用する人が増えます。

しかし、経済的な成長が鈍化すると、国債を購入する人が減ります。

国民が買うので、国内に投資に回る資本が必要です。

つまり、持続的な経済成長が前提条件になります。

 

③海外投資家

高金利でハイリターンを期待できるので購入する人が増えます。

しかし、低金利になると、投資対象として魅力度が低下して購入する人が減ります。

外国債への投資は、金利の高さに期待します。

しかし、高金利はハイリスクなのでデフォルトの懸念が生じると、一気に資金を引き上げます。

つまり、海外投資家の保有比率が高い債権は危険です。

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