mRNAワクチンについて

ワクチンは、病原体への抵抗性を高める目的で開発した医薬品です。

そしてワクチン製造は、病原体を処理して不活性化して培養します。

不活性化方法は、試行錯誤が必要なので開発の長い年月がかかります。

さらに、大量生産やコストによる手間が多いです。

2010年、病原体自体ではなく、病原体のメッセンジャーRNAを

使用したワクチン製造を開発しました。

目次

mRNAワクチンについて

mRNAワクチンは、遺伝子の遺伝子配列に対応する1本鎖のリボ核酸分子です。

別名は、伝令RNA、mRNA、メッセンジャーリボ核酸、

Messenger Ribonucleic Acidなどです。

 

mRNAが身体の細胞内に入ると、リボソーム(細胞小器官です)によって、

病原体のたんぱく質が生成します。

免疫がたんぱく質を抗原として記憶するので、

実際の病原体が侵入しても撃退しやすくなります。

つまり、生成する病原体のたんぱく質が1種類だけです(病原性がないです)。

mRNAワクチンの特徴について

mRNAワクチンは、塩基配列が分かると、人工的に合成できます。

迅速、安価にワクチン製造が可能です。

2020年、mRNAワクチンが新型コロナウイルスに対するワクチンとして初めて実用化しました。

 

たんぱく質を合成する時は、DNAの塩基配列をRNA(分子です)に転写します。

そしてRNAは、DNAに似た分子です(2本鎖ではなく1本鎖です)。

ちなみにDNAは、RNAよりも安定的で遺伝情報を長期保存できます。

RNAは、再利用できるので一時的な材料に適しています。

●DNAは、核酸の1種です(遺伝情報の継承を担っている物質です)。

別名は、デオキシリボ核酸、Deoxyribonucleic Acidです。

 

転写したmRNAは、核から細胞質に出てきてリボソームに取り付きます。

その後、tRNA(トランスファーRNAです)が近づいていきます(分子です)。

ちなみにtRNAは、mRNAのコドンと相補的な3個の塩基を所有しています。

対応するアミノ酸をくっつけて運搬するので、運ばれてきたアミノ酸は、

ペプチド結合で順番に繋がっていきます。

つまり、DNAの塩基配列に対応するたんぱく質が完成です。

 

●DNAは、遺伝情報を含んでいるmRNAとタンパク質のアミノ酸配列を

物理的に結びつける役割を担う分子です。

別名は、転移RNA、Transfer RNAです。

●コドンは、核酸の塩基配列がタンパク質を構成するアミノ酸配列へ

生体内で翻訳される時の各アミノ酸に対応する3つの塩基配列です。

●ペプチド結合は、アミド結合内のα-アミノ酸同士が脱水縮合して形成する共有結合です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です