メチシリン耐性黄色ブドウ球菌について

1932年、世界初の抗生物質であるペニシリンが開発されました。

そしてペニシリンは、黄色ブドウ球菌に対して期待できる微生物抑制物質です。

その後、医療現場に広く使用される事になりました。

しかし、ペニシリンは副作用が強いです(現在はメチシリンの使用率が低いです)。

さらに、ペニシリンが効きにくい耐性がある菌が出現しました。

新しい抗生物質が開発される度に、耐性を持つ菌も発見されていきました。

目次

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌について

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌は、抗生物質である

メチシリンに対する薬剤耐性を得た黄色ブドウ球菌です。

別名は、MRSAです。

一般的に多くの抗菌薬に耐性がある多剤耐性菌です。

つまり、黄色ブドウ球菌が薬剤に耐性を持った病原菌です。

ちなみに黄色ブドウ球菌は、人間の様々な表皮感染症、食中毒、

肺炎、髄膜炎、敗血症等致死的などの感染症の起因菌です。

 

大きな特徴は、気道で増殖して激しい咳を発生させます。

サイズ感は、0.8μm(マイクロメートルです)程度〜1.0pm程度です。

発育温度は、35℃(度です)程度〜40℃程度です。

主な生息場所は、人間の皮膚表面・鼻の穴・腸内などです。

ちなみに、病院内に生息している場合もあります。

 

現在、医療現場でメチシリン耐性黄色ブドウ球菌は問題になっています。

黄色ブドウ球菌と同様に常在菌です。

健康な人は、無害の傾向が高いです。

しかし、持病がある人や免疫力が低い人は、通常の

黄色ブドウ球菌よりも深刻な感染症を引き起こします。

 

特に手術後の患者さんや入院中の重症患者さんは、要注意です。

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌に感染すると、重篤化する可能性が高いからです。

抗生物質に耐性があるので、治療が難しいです。

肺炎、腹膜炎、敗血症などによって、死に至る場合があります。

そしてMRSAだけではなく、緑膿菌(多剤耐性緑膿菌・MDRPです)もあります。

つまり、複数の薬剤への耐性がある細菌です。

菌に耐性がある主な原因について

①濃度が低い薬剤の投与

病原菌が薬剤に徐々に慣れていく事で耐性を得ていきます。

 

②同じ薬剤の長期間の投与

同じ薬を長期間投与していくと、耐性菌の発生率が向上します。

 

③完治する直前に薬剤を中断

菌の死滅前に薬の服用を止めると、耐性を得た菌のみが生き残り続けます。

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