ゲノム創薬について
医薬品の開発は、新物質の発見や発明から始まります。
発見された物質は、安全性や有効性を確認して製品化に繋がります。
一般的には、1/1万程度の確率です。
しかし、ゲノム創薬によって医薬品開発のコストが大幅に削減できます。
従来の新医薬品開発は、約10年以上、200億円程度〜300億程度の費用が生じます。
そして、新薬開発に要する時間や費用の圧縮が期待できます。
さらに遺伝子解析技術の進歩によって、ゲノム創薬が登場しました。
目次
ゲノム創薬について
ゲノム創薬は、ゲノム情報のデータベースを活用して
病気の原因になる遺伝子やタンパク質の情報を
タンパク質に結合する分子や抗体から薬を創る方法です。
ちなみにゲノムは、全てのDNA遺伝情報です。
DNAは、デオキシリボ核酸です(Deoxyribonucleic Acidです)。
核酸の1種、二重らせん構造になっています。
遺伝情報の継承と発現を担う高分子生体物質です。
そして、解析されたゲノム情報を活用して病気に関わる遺伝子を特定して
遺伝子が作り出すタンパク質の機能を調節するのに
最適化した薬をコンピューターを通じて効率的に設計していきます。
さらに個々の患者の遺伝的な体質に応じて、副作用が少ない効果的な治療を行います。
つまり、オーダーメイド式医療を実現できます。
①ゲノム情報を解析
②異常タンパク質
異常遺伝子→異常タンパク質→タンパク質構造の解析→ドラッグデザインをします。
③新薬の開発
医薬品開発の流れについて
①基礎研究
基本的に2年程度〜3年程度です。
医薬品の開発は、薬の材料になりそうな新しい物質を探求する基礎研究から始めます。
新しい物質は、動植物や鉱物などから抽出、化学合成などによって生成します。
新物質は、性質や構造を調査して新薬候補として選別(スクリーニングです)されます。
②非臨床実験
基本的に3年程度〜5年程度です。
厳選された物質は、非臨床実験としてラットや鼠などの動物に投与されます。
働き、毒性、品質などを慎重に吟味された後、試薬品になります。
③治験
基本的に3年程度〜7年程度です。
試薬品は、人間を対象とした試験である治験に利用されます。
治験は3段階に分かれていて、医療機関で被験者の同意を得た上で行われます。
●副作用の安全性
対象者は、少数の健康な志願者です。
●類似の薬効を持つ既存の医薬品と比較した有効性と安全性
対象者は、多数の患者です。
●薬としての有効性、安全性、投与量
対象者は、少数の患者です。
④承認申請・審査
基本的に1年程度〜2年程度です。
治験で安全性や有効性が証明された後、厚生労働省に承認申請をします。
専門家による審査を経て、初めて医薬品として製品化ができます。