強心薬について
心臓は、全身に血液を送り出す血液駆出ポンプとして機能します。
しかし、機能が障害されると、主要臓器への血液の供給が低下します。
つまり、心不全に繋がります。
そして強心薬は、一般的に心臓の収縮力を増強して障害の改善に期待できます。
さらに心不全は、心臓のポンプ機能が低下して、
全身に十分な血液を送り出せなくなる状態です。
目次
強心薬について
強心薬は、心臓の収縮力を強めたり、全身へ送り出す血液量を増やす事で
心臓のポンプ機能を補助する薬の総称です。
そしてジゴキシンは、ジギタリス属植物であるケジギタリスの葉から
抽出される強心配糖体の1つです。
散剤は、0.1%(パーセントです)程度です。
錠剤は、0.125mg(ミリグラムです)程度や0.25mg程度です。
エリキシル剤(アルコールが含まれているので、
アルコールに過敏症がある患者さんは要注意です)は、0.05mg程度です。
注射剤は、0.25mg/mℓ(ミリグラム毎ミリリットルです)程度です。
内服で急速飽和療法の場合は、初回が0.5mg程度〜1.0mg程度です。
2回目以降は、0.5mg程度を6時間程度〜8時間程度ごとに行います。
維持の場合は、1日0.25mg程度〜0.5mg程度です。
注射で急速飽和療法の場合は、1回が0.25mg程度〜0.5mg程度を
2時間程度〜4時間程度ごとに静注します。
維持の場合は、1日0.25mg程度です。
うっ血性心不全(心臓のポンプ機能が低下して、全身に十分な血液を送れなくなる事によって、
肺や全身に血液が滞ってしまう病気です)の新機能低下症に作用します。
さらに、迷走神経に働くので頻脈不整脈の改善作用があります。
服薬指導について
治療域と中毒域が近いので、体外排泄に時間がかかります。
運用時は、体内に蓄積して中毒症状が発生しやすくなります(ジギタリス中毒です)。
さらにジギタリス中毒は、高度の徐脈・心室性不整脈などが生じて、
重篤な房室ブロック・心室性頻拍・心室細胞に移行する事があります。
そして服用中は、患者さんに中毒症状を確認する必要があります。
特に不整脈、食欲不振、頭痛、嘔吐などの症状が発生した場合は、
医師や薬剤師に相談しましょう。
自己判断で勝手に服用を中止したり、服用忘れ、2回分を同時に服用する事は危険です。
つまり、用量を守る事が大切です。
他施設や他科を受診する際は、強心薬の服用を伝えます。
主な副作用は、ジギタリス中毒です。
頻拍性不整脈も起こる事があります(一般的にフェニトインで対応する場合が多いです)。
食欲不振、胃腸障害(悪心・嘔吐・下痢などです)、頭痛、失見当識、錯乱、
視神経障害(視覚異常・精神神経系のめまいなどです)、せん妄などです。
ちなみにジギタリス中毒を促進するモノは、低カリウム血症もあります。
中毒症状前は、食欲不振の変化で気づく事が望ましいです。
そして重い場合は、中和薬があります。
しかし、日本は対症療法です(海外の場合は、ジギタリス中和抗体があります)。
処方箋の注意事項について
房室ブロック、洞房ブロック、ジギタリス中毒、閉塞性心筋梗塞などがある場合は、
ジゴキシンを服用できないです(投与禁忌です)。
特に急性心不全は、発現の時間差があるので一般的に利用しないです。
併用禁忌は、ジスルフィラム、シアナミド(エリキシル・注射のみです)。
原則併用禁忌は、カルシウム注射剤、スキサメトニウムです。
作用増強は、トラゾドン、抗コリン薬、アミオダロン、利尿薬、アセタゾラミド、
スピロノラクトン、血圧降下薬、テルサミルタン、フルバスタチン、β遮断薬などです。
作用減弱は、カルバムゼピン、コレスチラミン、コレスチミド、スクラルファート水和物、
フラジオマイシン、リファンピシン、サラゾスルファピリジン、アカルボースなどです。
