債券とマイナス金利について

マイナス金利は、個人や会社が所有している銀行預金の金利をマイナスにする事ではないです。

2016年、日本銀行が金融政策決定会合で導入しました。

民間銀行は、預金者から集めた資金を融資や金融商品の取引などで活用しています。

そして1部は、支払準備金(預金者にいつでも支払える資金です)として

日銀の当座預金口座に預けています。

さらに、ノーリスクで金利収入を得ていた事が金利が取られる事に変わりました。

目次

債券とマイナス金利について

マイナス金利は、民間銀行が日本銀行の当座預金に

新たに預ける際の金利をマイナスにする事です。

 

基本的に日本銀行は、当座預金に眠っている民間銀行の資金を融資に利用して、

設備投資や消費などを促進する事が目的です。

つまり、デフレーション(不景気です)から脱却して好景気を狙っています。

しかし、マイナス金利は金利全体的に引き下げる圧力になりました。

銀行の貸出金利が低下して、有力な貸出先の少ない地方銀行の経営を圧迫しました。

 

日本銀行の当座預金口座→金利が-0.1%(パーセントです)→銀行が資金を預けたり、

金利を払います→日銀に預けるよりも貸し出して資金を増やす努力をします→

金融市場に資金が出回ります→企業がお金を借りやすくなって設備投資、

銀行に預けるお金の金利が下がるので消費行動への変化、

住宅ローンの金利が低下する事で不動産購入への変化などです。

マイナス金利政策について

長期金利は、1年を超える取引期間がある債券の金利です。

ちなみに1年未満は、短期金利です。

一般的に毎月新しく発行する10年国債利回りが有名です。

個人向け住宅ローン金利、金融機関が企業への融資する際の金利を決定する1つの目安です。

 

銀行は当座預金に預けても損をするので、国債の購入を増やしています。

特に世界経済の不景気指数が目立ってきているので安全資産性がある国債が買われました。

2016年、国内で初めて10年国債の利回りがマイナスを記録しました。

長期国債の利回りが低下したので、長期金利が低下しました。

そして国債は、発行後も金融市場で売買します。

既に発行している利回りが良い国債は人気が高まりました(再建価格が上昇しました)。

つまり、金利が下がると債券価格が上昇するからです。

 

●金利が上昇する時は、利回りが悪い既発債が売られます。

つまり、債券価格が下落して債券利回りが上昇します。

●金利が低下する時は、利回りが良い既発債が買われます。

つまり、債券価格が上昇して債券利回りが低下します。

日本の債券について

現在は、新しく発行する10年国債の利回りは、-0.060%程度で推移しています。

つまり、債券を償還しても元本よりも少なくなる状態です。

しかし、債券は買われ続けて債券市場がバブル化しています。

長期保有目的ではなく、短期売買で値上げ益(キャピタルゲインです)目的である

ヘッジファンド(機関投資家です)が増えています。

 

日本は、何回も債券バブルが起こっています。

1990年、債券バブル崩壊と同時に日経平均株価が大きく下落しました。

つまり、30年間日本経済は停滞化しています。

景気が回復しない状態で債券バブルが崩壊すると、債券価格が下落して金利は上昇します。

企業の資金調達コストが上がるので、企業業績が悪化します。

企業の株価が暴落する可能性があります。

 

日本銀行は、物価上昇率2%を目標とした金融緩和政策を継続実施しています。

つまり、低金利状態が続いています。

しかし、欧米は新型コロナウイルス・ワクチン接種が進行しています。

世界経済が回復しつつあるので、政策金利の利上げが進んでいます。

日銀の金利の転換点は、重要です。

 

債券バブルが崩壊する→債券が売られるので債券価格が下落します→

金利が上昇します→企業の資金調達コストが上昇します→

企業業績が悪化します→不景気が継続化します。

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