ワキガと多汗症について

ワキガになるかどうかは、遺伝的な影響に左右されます。

白人や黒人の場合は、ほとんどワキガを持っています。

しかし、日本人は10人に1人程度です。

そして腋臭症は、汗の量よりも特有の臭いを発する状態です。

臭いの主な原因は、アポクリン汗腺から出る汗です。

本来臭いはありませんが、アポクリン汗線の皮脂腺や

汗から出る皮脂に細菌が混ざって特有の臭いを発します。

目次

ワキガと多汗症について

ワキガは、脇から放つ不快な臭いの症状です(主な原因は、アポクリン汗腺です)。

多汗症は、全身や局所から過剰に汗をかく症状です(主な原因は、エクリン汗腺です)。

シャワーを浴びて脇の清潔さを保つと、臭いが軽減します。

皮膚科を受診して塩化アルミニウムが入った制汗剤を処方します(公的医療保険適用です)。

制汗剤で症状が軽快して気にならなくなった人もいます。

しかし、満足ができない人は美容形成外科を受診して手術的な治療をする事になります。

 

ワキガ治療は、公的医療保険が適用される剪除法があります。

そして剪除法は、脇の下を切開して毛が生えている皮下を剥離します。

皮膚を反転して真皮と皮下組織の間にあるアポクリン汗腺をハサミで丁寧に除去します。

術後は、剥離した皮膚の下に血液が溜まらないように圧迫固定します。

つまり、腕を動かさない事が重要です。

両側を同時に手術する時は、入院する必要があります。

2週間程度は、激しい運動はできません。

 

公的医療保険が適用されない機器を利用する場合は、

超音波でアポクリン汗腺を破棄する治療法があります。

脇の下に小さな切開を加えて細い器具を入れます。

さらに、汗腺を壊すと同時に止血も行います。

熟練した医師が行うと、日帰り手術で受けられます。

しかし、慣れていない医師はアポクリン汗腺がかなり残ったり、

皮膚が壊死を起こしたりして傷跡を残してしまう恐れがあります。

 

皮膚を裏側から削って汗腺を取り除く機器であるクワドラカットがあります。

熟練した医師でないと超音波を利用した満足な結果に繋がりにくいです。

最近は、ミラドライのマイクロ波や電磁波を活用した

皮膚の上から汗腺を破壊する機器があります。

基本的に皮膚を全く切らないので傷が残らない利点があります。

しかし、皮下のアポクリン汗腺の位置や厚さなどの個人差があります。

ちなみに臭いが残った場合は、再度行う必要があります。

 

多汗症治療は、エクリン汗腺を支配する交感神経を

ボトックス(注射液です)を利用して治療する方法があります。

そしてボトックスは、ボツリヌス菌の出す毒素を使用した方法です。

ボトックスを直接、脇の下に注射して汗の分泌を抑制していきます。

基本的に5ヶ月〜6ヶ月程度で効き目が薄くなるので定期的に通う必要があります。

 

副作用は、一般的に腕のむくみが起こります。

破壊された組織が皮下に溜まって感染を引き起こしやすくなる可能性があります。

剪除法について

①脇のシワに沿って数cm(センチメートルです)程度を切開して皮膚を反転します。

 

②皮下組織や汗腺をハサミで除去します。

 

③ガーゼを当てて、包帯で圧迫固定します。

超音波法について

①脇のシワに沿って2箇所〜3箇所程度、

約5mm(ミリメートルです)程度ずつ切開します。

 

②切開した部位から手術器具を入れて皮下組織を除去します。

ワキガと多汗症の治療について

手術費用は、30万円程度です(自由診療の場合です)。

手術期間は、1時間程度〜2時間程度です。

入院期間は、日帰りです。

 

①当日

安静してから帰宅します。

脇が動かない姿勢をとります。

腕全体的にむくむ事があります。

入浴は不可です。

 

2日〜3日程度後

受診して消毒しながら包帯を巻き直します。

 

4日〜5日程度後

受診して消毒します。

シャワーは可能ですが、脇は触りません。

 

2週間程度後

抜糸です。

超音波法の場合は、腕を動かしても大丈夫です。

入浴ができます。

 

1ヶ月〜2ヶ月程度後

赤みが残っていたり、傷跡が目立っている状態です。

剪除法の場合は、腕を動かしても大丈夫です。

 

半年〜1年程度後

傷跡が綺麗になっていきます。

ちなみに、剪除法よりも超音波法の方が治るのが一般的に早いです。

アポクリン汗腺とエクリン汗腺について

汗は、2つの汗腺から分泌されています。

 

①アポクリン汗腺

真皮と皮下組織の間に分泌部位があります。

脇の下や耳などの毛穴に開口しています。

思春期は、性ホルモンの影響で分泌が増えます(独特な臭いがあります)。

 

②エクリン汗腺

真皮部に分泌部位があります。

汗孔が皮膚表面に直接開口しています。

温熱刺激や精神的緊張などによって発汗します。

気化熱で体温を低下させて体温を調整する機能があります。

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