β遮断薬について

多くの大規模臨床試験によって、β受容体遮断薬の慢性心不全の予後改善が期待できます。

つまり、降圧薬で有名です。

しかし、心臓の働きを抑えて、心臓への負担を軽減する作用なので

治療経験が豊富な医師の処方が重要です。

慎重に使用する事が大事な薬剤の1つです。

ちなみに心不全は、心臓のポンプ機能が低下して、

全身に十分な血液を送り出せなくなる状態です。

目次

β遮断薬について

β遮断薬は、交感神経の働きを抑えて、心拍数や血圧を低下させる事で

高血圧・狭心症・心不全・不整脈などの心臓疾患の治療に使われている薬の総称です。

そしてカルベジロールは、心臓の負担を軽くして血管を広げる作用があります。

錠剤は、1.25mg(ミリグラムです)程度、2.5mg程度、10mg程度、20mg程度です。

虚血性心疾患や拡張型心筋症による慢性心不全(ACE阻害薬・利尿薬・ジギタリス治療中です)

は、1.25mg程度、2.5mg程度、10mg程度です。

 

開始1回が1.25mg程度・1日2回程度です。

忍容性次第で増減します。

維持の場合は、1回2.5mg程度〜10mg程度です・1日2回です。

 

異常に緊張・亢進した交感神経系(β受容体です)を抑制して、降圧作用を発揮しやすいです。

心拍数減少、心筋エネルギー代謝などの心臓の負担軽減や心筋細胞の保護作用が特徴的です。

 

主な副作用は、徐脈、ショック、完全房室ブロック、心不全、黄疸、急性腎不全、

アナフィラキシー、循環器系副作用、中毒性表皮壊死融解症、肝機能障害、

低血圧、悪心、眩暈、動悸、糖尿病悪化などです。

服薬指導について

カルベジロールは、β受容体を遮断する事で亢進している心臓の働きを安定化しやすくします。

さらに、弱いα受容体を遮断する作用があるので、末梢血管を拡張します。

受容体への作用は、a受容体:β受容体=1:8です。

心不全改善や狭心症予防に繋がります。

ちなみに抗酸化作用があるので、脂質過酸化も抑制しやすいです。

 

しかし、気管支収縮を起こして、気管支喘息を悪化させる可能性があります。

気管支喘息患者さんは、投与禁忌です。

そして胆汁排泄型のカルベジロールは、肝臓で代謝されるので

重篤な肝障害患者さんへの投与も慎重に行う必要があります。

投与開始時や増量時は、目眩やふらつきなどが起こる場合があります。

自動車の運転や機械操作などは、十分に注意する事が大切です。

 

服用の急な中止で狭心症の悪化や血圧上昇などがある患者さんは、

自己判断で中断せずに、医師に相談しましょう。

一般的に中止する場合は、7日程度〜14日程度かけて徐々に減量します。

特に脂質異常症患者さんや糖尿病合併患者さんは、慎重に行います。

処方箋の注意事項について

糖尿病ケトアシドーシス、代謝性アシドーシス、気管支喘息、気管支痙攣、

心室ブロック(Ⅱ度、Ⅲ度です)、洞房ブロック、心原性ショック、強心薬、

血管拡張薬の静脈内投与による心不全、非代償性心不全、肺高血圧による右心不全、

未治療の褐色細胞種、妊婦などは、投与禁忌です。

 

作用増強は、ヒドララジン、シメチジンなどです。

両剤作用増強は、Ca拮抗薬、ジギタリス製剤、Ⅰ群抗不整脈薬などです。

作用減弱は、リファンピシン、非ステロイド性抗炎症薬などです。

血糖降下作用増強は、血糖降下薬です。

徐脈や心停止の恐れは、アミオダロンです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です