核燃料の作り方について
ウランを燃料として使用する場合は、ウラン鉱山で採掘します。
採掘したウラン鉱を精錬工場でイエローケーキ(ウラン精鋼です)にします。
そして、転換工場に運ばれます(核燃料を製造します)。
原子炉で使用後の使用済核燃料を再処理します(ウランやプルトニウムを取り出します)。
取り出したウランやプルトニウムを再度加工して核燃料として原子炉で再利用できます。
ちなみに再利用できない元素は、廃棄物として処理や処分されます。
目次
核燃料の作り方について
核燃料は、原子炉内で核分裂反応させる燃料です。
主にウラン鉱石から作ります。
ウラン鉱石は、カナダ、オーストラリア、南アメリカ大陸などから産出します。
ウラン鉱石1t(トンです)は、1kg(キログラムです)程度しか含まれていません。
炭酸ソーダ液や硫酸などに入れてウラン鉱石の侵出溶解をします。
溶解されたウランを沈澱します。
その後、水洗いや乾燥したウラン精鋼になります。
そして、イエローケーキを核燃料に加工する為には、濃縮が必要です。
つまり、そのまま燃料として使用できるウラン235は
1%(パーセントです)も含まれていません。
濃縮は、ウラン235とウラン238を分離します。
質量差を利用した遠心分離法やガスの速度さを利用したガス拡散法などがあります。
そして、ウランを六フッ化ウラン(UF6です)に転換します。
六フッ化ウラン(劣化ウランです)は、ウラン化合物の中で唯一の気体です。
しかし、ウラン235とウラン238の質量差は小さいので、
軽水炉で使用される燃料ウラン含有率(4%程度です)まで上げる必要があります。
つまり、分離工程を多重に繰り返す事が重要です。
濃縮されたウランは、六フッ化ウラン(ガスです)にして
アメリカ合衆国やフランスなどから日本に輸入されます。
輸入された六フッ化ウランを日本で酸化ウラン(UO2です)粉末にします。
さらにプレスして、焼結や研磨する事で酸化ウランペレットにします。
酸化ウランペレットを被覆管に入れて端を栓した燃料棒として活用していきます。
できた燃料棒を集合体にして核燃料が完成です。
核燃料の製造工程について
①ウラン鉱石を硫酸や炭酸ソーダに入れます。
②ウラン以外の成分を溶かします(イエローケーキ状態粉末にします)。
③六フッ化ウラン(気体です)に転換します。
④遠心分離作用を使用してウラン235の濃度を4%程度にします。
軽いウラン235を中心に集めます(ウラン238とウラン235を分けます)。
⑤酸化ウラン(二酸化ウランです)を粉末にして焼き固めます(酸化ウランペレットです)。
核燃料の再利用について
①ウラン235の割合を高める為にウラン濃縮工場で濃縮した六フッ化ウランを生成します。
②濃縮した六フッ化ウランを再転換工場で酸化ウラン粉末にします。
再転換工場で生じた劣化ウラン(二酸化ウランです)は、
MOX燃料工場に運ばれるケースがあります。
③酸化ウラン粉末をウラン燃料工場(成型加工場です)で核燃料にします。
④原子力発電所で核燃料を使用します(電気を生成します)。
⑤原子力発電所で使用した使用済核燃料を再処理工場でウランを回収します。
※回収ウランや回収プルトニウムをMOX燃料工場に運ばれるケースがあります。
使用済核燃料を中間貯蔵施設で再処理ができるまで一時保管します。
MOX燃料工場でMOX燃料を生成して再度原子力発電所で核燃料として使用します。
ちなみにMOX燃料は、混合酸化物燃料です(ウラン・プルトニウム混合酸化物です)。
ウランに使用済燃料を再処理して得たプルトニウムを混ぜて作ります。
⑥回収ウラン(粉末です)を転換工場で六フッ化ウランを生成します。
⑦六フッ化ウランをウラン濃縮工場で濃縮します。