防蟻工事と防腐工事の用語集
木材の腐朽や白蟻被害は、建築物に大きな影響があります。
工事現場で薬剤を塗布する事やあらかじめ工事で薬剤を注入した材料を使用する事は、
不動産価値に響いていきます。
シロアリ、羽アリなどは、古い木造家屋の天敵です。
そして医薬品・動物用医薬品・防除用医薬部外品は薬事法、
農薬が農薬取締法によって規制されています。
さらに公益社団法人日本しろあり対策協会は、国土交通大臣の許可を得て結成した団体です。
木造建築物のシロアリ被害や腐朽を防止する目的で活動しています。
目次
防蟻工事の用語集について
①シロアリ駆除剤
白蟻駆除向けの薬剤です。
一般的にクレオソート油、銅、アルキルアンモニウム化合物を入れたタイプが多いです。
②土壌処理剤
土に直接散布する薬剤です。
散布効果は、1年程度〜2年程度です(雨水にさらされるからです)。
ちなみに白蟻は、土の中に巣を形成して住みつきます(巣に100万匹程度です)。
木材式建築物まで土を通じて、辿り着きます。
③忌避剤
有害動物が匂いや味などを嫌がって近寄らないようにする為の薬剤です。
主にゴキブリ、ネズミに有効です。
現在は、毒性が弱いタイプが主流です。
子どもに対して、喘息やアレルギーなどを引き起こす恐れがあるからです。
ちなみに以前は、毒性が強い薬剤が多かったです。
④防蟻注入剤
あらかじめ工場で部材に防蟻処理をして工事現場に搬入される材料です。
ちなみに土台は、工事現場で薬剤を塗布する事が多いです。
⑤防蟻用断熱材
あらかじめシロアリ駆除剤を混入した断熱材です。
基礎の立ち上げりのコンクリート打設時に打ち込む事が多いです。
しかし、断熱材だけでは防蟻処理が不十分です。
木材の駆除剤とセットで対応するケースが必要です。
⑥シロアリ
木を食べる特性があります。
日本は、イエシロアリ、ヤマトシロアリが生息しています。
乾燥した家具や木材に寄生する白蟻が目立っています。
最近は、アメリカカンザイシロアリもいます。
⑦蟻道
シロアリの通り道です。
白蟻は、光を嫌います。
細かい砂で蟻道を形成する事で光が入らないようにしています。
つまり、シロアリやクロアリなどがエサ場と巣を行き来する為に土で作った道です。
⑧防蟻材料
構造材に薬剤を塗布にしたモノです。
防腐工事の用語集について
①防腐剤
木材の腐朽を防ぐ為の薬剤です。
一般的にクロム、銅、ヒ素、クレオソート油を入れたタイプが多いです。
②防腐注入材
あらかじめ工場で防腐剤を注入した材料です。
主に土台で使用されています。
③木材食害虫
木材を食べる虫です。
●乾材害虫は、乾燥した木材を食べる虫です。
具体例は、ヒラタキクイムシです。
●湿材害虫は、湿った木材を食べる虫です。
具体例は、シロアリです。
④ピロディン
木材の腐朽診断を行う為に使用する機器です。
金属ピンを一定の衝撃力で打ち込みます。
つまり、貫入深さで測定します。
⑤インサイジング加工
防腐剤を注入処理する前に刃物などで
表面に切り込みを入れて浸透しやすくする為の加工です。
⑥カビ
木材を劣化させる微生物です。
基本的にセルロース、リグニン、ヘルセルロースはほとんど分解しません。
木材の質量を減少したり、強度を低下させたりします(木材価値の低下です)。
特にカビの胞子は、人間の健康を害する場合があります。
ちなみに、木材腐朽菌ではないです。
⑦含水率計
木材に含まれている水分の割合を測る為に使用する機器です。
防蟻工事の方法について
①毒餌法
別名は、ベイト工法です。
少量の薬剤で白蟻防除する工法です。
主にペットがいる家庭、薬剤アレルギーの人に向いています。
建物周囲や被害を受けた場所にシロアリが好む餌木(松材です)を入れた容器を置きます。
白蟻が容器に出入りした時、薬剤餌に置き換えます。
薬剤をシロアリの巣に持ち帰らせて爆滅させます。
②発泡施工法
防蟻薬剤を泡状にして床下に吹き込ませる工法です(泡で床下を満たします)。
泡は、数時間程度で消えます。
元の液状の薬剤に戻りながら床下土壌や床下部材に吸収させます。
③シート工法
プラスチックのシートの中に防蟻薬剤を練り込ませた工法です。
シートを床下に敷き込ませます。
しかし、シートの隙間やシートの繋ぎ目への対策が必要です。
④散布工法
床下の土壌表面に防蟻薬剤を散布して薬剤層を形成していく工法です。
シロアリが通過できないようにします。