面白い税金について
世界中に変わった税制度があります。
イタリアは、2008年にポルノ税を導入しました。
ポルノ雑誌、ポルノ動画、ポルノ映画の売上高に対して、
25%(パーセントです)の税金が課せられています。
当時のイタリアは、深刻な経済危機でした(リーマン・ショックの影響です)。
ちなみに、イタリアのポルノ産業の売上高が10億ユーロもあります。
イタリアの政府にとっては、大きな財源になりました。
目次
日本の面白い税金について
①醤油税
江戸時代に施行した税金です。
醤油の製造は、免許制なので納税義務がありました。
江戸幕府は、醤油・清酒・濁酒(三造です)の製造に対して、
株仲間からの冥加金として徴税しました。
その後、明治時代になると、醤油自体が日常必需品になっていた事で廃止しました。
しかし、1885年に日清戦争の軍費調達目的で再施行しました。
1889年、日清戦争後の財源確保目的で醤油税の増税が実施しました。
1904年、非常時特別税法を制定して日露戦争の軍費調達目的で醤油税の増税を実施しました。
1926年、再廃止しました。
●日清戦争は、1894年〜1895年にかけて日本(大日本帝国です)と
中華人民共和国(清国です)との間で行われた戦争です。
●日露戦争は、1904年〜1905年にかけて日本(大日本帝国です)と
ロシア連邦(ロシア帝国です)との間で行われた戦争です。
②犬税
江戸時代に施行した税金です。
江戸幕府第5代将軍として活動していた徳川綱吉さんが、
生類憐れみの令を発令しました。
1955年、府県税として開始しました(法定外普通税です)。
1982年、市町村税まで存在していましたが廃止しました。
つまり、地方税なので税額や課税対象が異なります。
ちなみに京都府と群馬県は、狆が猟犬として使用する事が認められていました。
他の犬種よりも高い税率が課せられました。
●生類憐れみの令は、動物・嬰児・傷病人保護を目的とした法律です。
●法定外普通税は、市町村が総務大臣(自治大臣です)に許可を受けて課税ができる税金です。
③兎税
明治時代に施行した税金です。
1871年、外国から輸入した兎がペットとして人気を博しました(ウサギバブルです)。
当時は、毛色が異なるウサギを高額取引する兎会が開催しました。
その後、武士から士族に身分変化した事によって
支給された家禄奉還金を注ぎ込む人も増加しました。
1872年、富裕層を中心に外来種のカイウサギが珍重しました。
1873年、東京都は兎1羽につき毎月1円の課税を開始しました。
●ウサギバブルは、明治時代初期に東京府を中心に起こった兎に対する投機的流行です。
④入湯税
1950年、地方税法によって入湯税が本格的に施行しました。
市町村に属している鉱泉浴場を利用する時に課せられる税金です。
基本税額は、1人1日当たり150円です。
一般的に温泉施設の利用料金や温泉宿の宿泊施設に上乗せされています。
⑤ワンルームマンション税
別名は、狭小住戸集合住宅税です。
2004年、東京都豊島区で導入しました。
当時は、ファミリー世帯向け住宅が少なかった事で住宅の改善策として施行しました。
狭小住戸集合住宅を建築する時に建築業者に課税する税金です。
課税対象は、1戸当たりの専有面積が30m2(平方メートルです)未満の住戸が、
9戸以上の集合住宅を新築する際に、1戸につき50万円です。
ちなみに、条例が施行された後の新築や増築の建物に関して適用します。
世界の面白い税金について
①窓税
イギリスで施行した税金です。
1696年、導入しました。
1つの建物に付いている窓の数が7個以上で課税します。
当時は、ガラス自体が高価なモノでした。
富裕層は、窓を増やして税金を払いました。
経済的に余裕がない人は、窓を板で塞いだり、
新築の建物にできるだけ窓の少ない物件にしました。
しかし、換気性が悪くなって病人が増えました。
1851年、廃止しました。
②独身税
ブルガリアで施行した税金です。
1968年〜1989年、少子化対策で導入しました。
成人で独身の場合は、5%程度〜10%程度の課税です。
しかし、独身時代の重税で結婚資金を貯める事が難しく、
結婚できない若者が増加した事によって廃止しました。
特に出生率は、税導入後に低下しました(逆効果です)。
③渋滞税
別名は、コンジェスチョン・チャージです。
イギリスで施行した税金です。
当時のイギリスのロンドンは、渋滞が酷いので都心部の自動車の平均速度が、
ビクトリア王朝と比較して馬車の速度と変わらないレベルでした。
2003年、都市部に流入する自動車の量を抑制する為に制定しました。
特定の日時に特定エリアに入ると、1日10ポンド程度課税する仕組みです。
ちなみに渋滞が30%程度解消、交通量が15%程度減少しました(効果的です)。
④脂肪税
別名は、肥満税、バター税です。
デンマークで施行した税金です。
2011年、肥満対策目的で導入しました。
食品中に含まれている2.3%以上の不飽和脂肪酸の量に応じて課税します。
具体例は、バター、チーズ、加工食品などです。
しかし、食料の価格高騰に繋がって
隣国に食料品を買いに行く人が後を絶たなくなった事で2012年に廃止しました。
⑤ポテトチップス税
別名は、健康増進税です。
ハンガリーで施行した税金です。
2011年、肥満対策目的で導入しました。
砂糖や塩分が多い飲食品に含まれている量に応じて課税します。
1kg(キログラムです)当たりの課税額は、
ポテトチップスが200フォリント、ケーキが100フォリントです。
具体例は、スナック菓子、清涼飲料水、包装菓子などです。
⑥砂糖税
別名は、ソーダ税です。
フランスで施行した税金です。
2011年、肥満予防目的で導入しました。
砂糖が多い炭酸飲料品に含まれている量に応じて課税します。
1缶当たりの課税額は、1円程度です。
⑦月餅税
中華人民共和国で施行した税金です。
中国の焼き菓子で有名な月餅は、餡が入っています。
月餅を食べながら月を愛でる風習があるので、中秋節(旧暦08月15日です)に
企業が社員に月餅を配る習慣があります(福利厚生です)。
2011年、収入の1部として導入しました。
職場で受け取る月餅を所得の1部として課税します。
しかし、国民の猛反発によって2011年に廃止しました。
⑧学位税
別名は、卒業税です。
オーストラリアで施行した税金です。
原則的に大学卒業以上で一定以上の収入がある場合は、課税の対象です。
そしてオーストラリアの大学は、ほとんどが国立大学です。
つまり、大学卒業した時点で国費の恩恵を受けています。
ちなみに、卒業後に学費を返済する奨学金制度に近い納税です。
大学卒業後に一定以上の収入がある人は、3%程度~6%程度の課税です。
条件に満たない収入の場合は、無税です。
⑨営業税
フランスで施行した税金です。
1791年、フランスが導入しました。
1810年、ドイツが導入しました。
1878年、日本が導入しました。
労働環境が良く生産性が高いドイツは、店舗を日曜日に営業する時に営業税を課税します。
閉店法によって、飲食店以外の店舗は日曜日に営業ができないです。
つまり、長時間労働や休日出勤から労働者を守る目的です。
現在は、各州や特定の町が独自に決められるようになりました。
ちなみに、ベルリン中央駅のショッピングモールは休日でも買い物できます。
⑩デジタルサービス税
別名は、DSTです。
イギリスで施行した税金です。
2020年、導入しました。
イギリスユーザーのデジタルサービスの利用によって得た収益に対して、
サービスを提供している企業に税金を課税する仕組みです。
課税対象は、世界売上高が5億ポンド以上・イギリスユーザーから得た収益の中で
ソーシャルメディアサービス、インターネット検索エンジン、
オンラインマーケットプレイスから生じる2500万ポンドを超えた
デジタルサービス売上高に対して、超過した収益の2%分が課税します。