トリチウムについて
放射性物質であるトリチウムは、核融合燃料として利用されています。
そして、人工的に原子炉内でリチウム(アルカリ金属元素の1つです)6に
中性子を吸収させる事で大量生産ができます。
さらにトリチウムは、酸素と反応して水になります。
しかし、トリチウム水は放射性なので体内に入ると内部被曝が起こります(化学兵器です)。
目次
トリチウムについて
トリチウムは、核融合物質です(水素の1種です)。
別名は、三重水素です。
水素の同位体です(陽子1つと中性子2つから構成される核種です)。
質量数が3、原子量が3.017です。
半減期12.32年で3He(ヘリウム3です)へとβ崩壊する放射性同位体です。
質量が軽水素の約3倍、二重水素の約1.5倍と差が大きいので物理的性質も大きく異なります。
ちなみにヘリウム3は、ヘリウムの同位体です(陽子2つと中性子1つから構成されています)。
水素は、通常の水素、重水素、三重水素の3種類に分類されます。
重水素は、原子核が陽子1つと中性子1つで構成されています。
核融合炉では重水素2つを融合させてD-D反応(核融合反応です)をします。
D-D反応を起こす為には、高いエネルギーが必要です。
しかし、エネルギー運用が難関なので低いエネルギーで反応が起こる
重水素とトリチウムを融合させます(D-T反応です)。
つまり、トリチウムが活用する必要があるからです。
ちなみにD-D反応やD-T反応は、軽い核同士の融合反応で
エネルギーを取り出す核融合方法です。
トリチウムのD-D反応やD-T反応について
D-T反応で発生するエネルギーは、17.6MeV(メガエレクトロンボルトです)です。
D-T反応を利用すると、中性子を発生させる事ができます。
大量の中性子を必要しない場合は、原子炉よりも安価で利用できます。
トリチウムの大量生産方法について
Li6(リチウムです)→中性子を吸収させます→
He4(ヘリウムです)→T(トリチウムです)です。
トリチウムは、安定した物質(ヘリウムです)に変化しようとする際に放射線を放出します。
安定的に運用すると、放射性物質が放射線を出す能力はだんだん減っていきます。
そして半減期は、放射性物質の種類によって異なります(トリチウムは12.3年です)。
ちなみに半減期は、半分になるまでにかかる時間です。
トリチウムは、水分子を形成して簡単に人体に取り込む事が可能です。
一旦取り込まれたトリチウム水は、通常の水と分離する事ができないです。
生体から排出されないので、長期間に渡って被曝を受ける恐れがあります。