クラウドファンディングの種類について
2014年度の中小企業経済白書の研究調査データによると、
世界クラウドファンディング市場は、約2342億円です(2012年です)。
そして、前年比81%(パーセントです)増です。
さらに2016年度の矢野経済研究所の研究調査データによると、
国内クラウドファンディング市場規模は、約745億5100円です。
ちなみに、新規プロジェクト支援額の前年比96.6%増です。
目次
クラウドファンディングの種類について
クラウドファンディングは、インターネットを利用して資金調達する手段です。
既存の金融機関の融資が消極的であった中小企業や
小規模事業者などに対する融資を補完する役割があります。
●寄附型クラウドファンディング…対価が得られない方式です。
両者は、金銭的な見返りを求めていない事です。
ちなみに、金融商品取引法の規制を受けないです。
●購入型クラウドファンディング…対価が得られる方式です。
資金の提供者が資金提供に対する対価(リワードです)を得られます。
金銭的な見返りではないですが、出資に対する見返りとして
資金調達する企業が出資者に対してモノやサービスを提供します。
ちなみに、金融商品取引法の規制を受けないです。
クラファン型 | 資金調達規模 | 1人当たりの出資額 | 対価 | 金融商品取引法 |
---|---|---|---|---|
寄付型 | 数万円程度〜数百万円程度 | 1口1円〜 | 基本的にないです(ニュースレターなどです) | なしです |
売買型 | 数万円程度〜数百万円程度 | 1口1千円〜 | 商品、サービス | なしです |
貸付型 | 数10万円程度〜数千万円程度 | 1口1万円〜 | 金利相当の利益 | ありです |
事業投資型 | 数百万円程度〜数千万円程度 | 1口1万円〜 | 事業収益 | ありです |
株式投資型 | 数百万円程度〜数千万円程度 | 1口1万円〜 | 配当 | ありです |
寄付型クラウドファンディングについて
基本的に企業から出資者に対して対価を提供する義務がないです。
つまり、資金調達者は、寄附を受ける事と同様な効用を得れます。
大きな特徴は、インターネットを通じて世界中の人々から資金を募る事ができます。
従来の資金調達手段と比較すると、圧倒的に低コストで資金が得やすいです。
一般的に社会貢献活動や環境保全活動などに利用されている事が多いです。
企業だけではなく、個人や団体も広く活用されています。
しかし、運営会社や寄付を集めている主体が詐欺的に寄付を集めていた場合は、
寄付金が不正流用されたり、自分の寄付行為が無意味になる恐れがあります。
自己判断で出資するので、要注意です。
①資金調達者が資金調達サイトに掲載を申し込みます。
②資金調達サイトの運営者が審査をします。
③資金募集を開始します。
④複数の出資者が集まります。
⑤資金が調達された後、募集を終了します。
⑥寄付を受けた資金によって活動を開始します。
⑦お礼のレターなどで見返りをしたりします。
売買型クラウドファンディングについて
出資に対する見返りとして企業が出資者に対して商品・サービスなどを提供します。
資金調達する企業は、提供する商品やサービスをあらかじめ決めておく必要があります。
大きな特徴は、開発中の商品・サービスの予約販売です。
出資額が少数の場合は、お礼のニュースレターやステッカーなどのプロジェクト内容に関する
お金がかからないグッズが提供される事が多いです。
相当の出資額の場合は、資金調達した資金を通じて開発される
商品やサービスなどが提供される事が多いです。
ちなみに資金調達した企業は、企業の損益計算書(P/Lです)の売上に計上する必要があります。
多くのユーザーの目に触れる資金調達サイトにプロジェクトを掲載して、
商品・サービスの魅力や開発背景などを広告(PRです)する事で、
販路拡大や新規顧客の開拓に繋がります。
つまり、自社の市場ニーズがあるかどうかについて判断がしやすいです。
しかし、資金調達目標額を設定する必要があります。
目標金額を達成できない場合は、出資者に出資資金をが返還されて、
実際にプロジェクトも実行されません。
さらに、商品やサービスが受け取れない場合は、法的な救済措置がないので出資者は自己責任です。
①資金調達者が資金調達サイトに掲載を申し込みます。
②資金調達サイトの運営者が審査をします。
③資金募集を開始します。
④出資者が集まります。
1人当たりの出資が小口でも、出資者が集まる事で大きな金額になります。
⑤資金が調達された後、募集を終了します。
⑥出資金によって活動を開始します。
資金調達を利用して新商品や新サービスを開発します。
⑦完成した商品・サービスを提供します。
貸付型クラウドファンディングについて
出資に対する見返りとして金銭が提供されます。
別名はソーシャルレンディング、P2Pレンディングです。
大きな特徴は、貸付債権に対する匿名組合出資形態です。
日々の運転資金の調達が多い事です。
金融機関から融資が受けにくい場合に利用される事が多いです。」
提供される金銭は、資金調達者の業況や資金調達規模などによって、
あらかじめ算出された金利によって決まります。
基本的にサイト運用事業者の貸出金利は、年15%〜20%が上限です。
投資家への提示金利は、5%〜10%です。
日本は、貸付業を行う際に貸金業の登録が必要です。
しかし、個人が貸付業登録を取得するのは難しいです。
クラウドファンディングサイトが代用として貸金業登録を済ましています。
つまり、個人から貸付の為に資金を募る事ができます(匿名組合出資者です)。
金利は、一般的な定期預金よりも高い金額が設定されているので、
出資者は利回りの高さに魅力を感じて出資をする場合もあります。
しかし、資金調達者が業績不振によって借入金の返済が滞った場合に、
出資者が分配を受け取る事ができなくなります。
出資者は、資金調達サイト運営事業者が融資を行った企業に対して
出資金の返済を求める事ができません。
①資金調達者が資金調達サイトに掲載を申し込みます。
②資金調達サイトの運営者が審査をします。
③資金募集を開始します。
④匿名組合出資者が集まります。
複数の出資者が集まると、大きな資金になります。
⑤資金調達後、募集を終了します。
⑥貸付を実行します。
調達した資金を利用して事業を行います。
事業による収益によって、借入金の返済をします。
⑦返済後、匿名組合分配金を受け取ります(元本・利息です)。
事業投資型クラウドファンディングについて
出資に対する見返りとして金銭(分配金です)が支払われます。
そして支払われる金銭は、資金調達者の事業の業績に応じて変動します。
大きな特徴は、資金需要者に対する直接投資形態です。
主に新規事業の立ち上げ、通常の資金調達を含んだ資金調達などで利用されています。
事業を通じて顧客やファンの獲得を図りやすいです。
一般的に数百万円程度〜数千万円程度の資金調達が多いです。
出資も1万円単位からできる場合もあります。
資金調達サイトの運営事業者は、企業調査を行って
人々に共感を得る事ができる事業であるかどうかを判定します。
資金調達サイトへの掲載が決まった後、企業は資金調達サイト運営事業者の協力により、
ファンドを組合して資金募集を始めます。
そして資金調達後は、企業は資金を利用しながら事業活動を営みます。
収益を元に出資者に対して分配金(匿名組合出資持分です)の配当を行います。
しかし、資金調達者が業績不振によって出資者が分配金を受け取る事ができなくなります。
ちなみに、出資金の返済を求める事ができません。
①資金調達者が資金調達サイトに掲載を申し込みます。
②資金調達サイトの運営者が審査をします。
③資金募集を開始します。
④匿名組合出資者が集まります。
1人当たりの出資が小口でも、出資者が集まる事で大きな金額になります。
⑤資金調達後、募集を終了します。
⑥匿名組合分配金(事業収益です)や商品などを実行します。
調達した資金を利用して事業を行います。
事業による収益によって、借入金の配当を行います。
株式型クラウドファンディングについて
非上場株式に対して出資者を募ります。
出資者は、企業の業績に応じて配当を受け取ります。
大きな特徴は、株式配当が支払われます。
そして資金需要者として主に事業を新たに起こすベンチャー企業を対象に想定しています。
従来のベンチャーキャピタルの機能を代替するモノです。
さらに資金調達者は、対象企業の事業計画を主に個別に判断して、企業に対して出資します。
見返りとして出資者は、株主として経営に関与できます。
つまり、ベンチャーキャピタルなどが行っていた
専門性の高いベンチャー投資を個人が行ってリスクが大きいです。
流動性が低く、返済の期日もない、未上場企業株式です。
株式型クラウドファンディングは、第1種少額電子募集取扱業者です。
事業投資型クラウドファンディングは、第2種少額電子募集取扱業者です。