電子レンジについて
電子レンジが発明する前は、炭火を燃やすコンロや薪を燃やす竈で料理をしていました。
その後、ガスコンロや電気コンロが出現しました。
しかし、現在は電子レンジやIHヒーターなどが主流です。
特に電子レンジは、簡単に温度調整ができるので便利な家電の1つです。
目次
電子レンジについて
電子レンジは、マイクロ波加熱(電磁波・電波です)で
水分を含んでいるモノの温度を上げる装置です。
マイクロ波を食品に照射して、極性を持つ水分子に直接エネルギーを与えます。
分子を振動や回転させる事で温度を上げます。
ちなみにマイクロ波は、マグネトロンで発生できます(真空管の1種です)。
水分子は、H-O-Hです。
水素原子はプラス、酸素原子がマイナスに荷電しています。
水分子はプラスの部位とマイナスの部位を持つイオン性分子(極性です)。
つまり、分子に電圧(電場です)をかけると、同じ電荷同士は反発します。
異なる電荷は引き合います(クーロンの法則です)。
水分子のプラス部位は、電場のマイナス方向を向いて、
分子のマイナス部位が電場のプラス部位を向きます。
●荷電は、物体が電気を帯びている事です。
●極性は、原子間の結合や分子内で正負の電荷に偏りがある事です。
●電圧は、電気を押し出す力です。
●クーロンの法則は、荷電粒子間に働く反発や引き合う力がそれぞれの電荷の積に比例して、
距離の2乗に反比例する事(逆2乗の法則です)を示した電磁気学の基本法則です。
電場の向きを変えて回転を1秒間に数万回高速で引き起こす事によって、
水分子はお互いに摩擦を起こして高熱になります。
そして電子レンジ内は、マグネトロン(高周波・マイクロ波です)を
発射する真空管が装着しています。
さらに電子レンジで使用する高周波、1秒間に24億5000万回も電場の向きを変換します。
水分子も同じ回数だけ回転します。
水分子を含んでいる物体は、生物や食品関係なく直ちに高熱になりやすいです。
軍用電子レンジについて
第2次世界大戦時、日本軍幹部は電子レンジを兵器に利用しました。
マイクロ波を照射して航空機を遠隔攻撃する計画です。
1943年、計画が順調に始動しました。
1944年、実験機が完成しました。
初の実験対象物は、サツマイモです。
焼き芋になったので実験が成功しました。
その後、改良が進んで5m(メートルです)程度の距離から兎を殺傷する事も可能になりました。
しかし、1万m以上の上空を飛行しているアメリカ合衆国軍のパイロットを攻撃する為には、
強力なマグネトロン真空管を開発する必要がありました。
つまり、大きな電力コストが発生します。
最終的に実戦向けに対応する事ができませんでした。
当時は、東京都全ての電力を注ぎ込む必要性があったからです。
電子レンジと戦争について
アメリカ合衆国軍は、電子レンジよりもマグネトロンが兵器に活用できる事を模索しました。
1945年、偶然マグネトロンの前にいた技術者が、
ポケットに入れていたチョコレートが溶けている事を発見しました。
その後、軍事兵器として開発していたマグネトロンを食品を温める事に利用しました。
1947年、マグネトロンを応用した電子レンジが製品化しました。
初の実験対象物は、ポップコーンです。
2番目の実験対象物が卵です(卵が爆発しました)。
しかし、完成した電子レンジが巨大だったので一般家庭に馴染みにくい仕様でした。
その後、小型化と低価格化などを経て、一般家庭に浸透していきました。