顕微鏡と拡大鏡の仕組みについて
小さい文字を見る場合は、目を近づけて見に行きます。
そして近づきすぎると、くっきりと見えなくなっていきます。
つまり、人間の目は、綺麗な像を作る限界の距離hがあります。
ちなみに、個人差がありますが25cm(センチメートルです)程度です。
さらに近点は、物体がある時に像が最大になります。
目次
顕微鏡の仕組みについて
顕微鏡は、微小な物体を投影して肉眼で見える大きさの像を得る装置です。
別名は、光学顕微鏡、microscopeなどです。
顕微鏡は、望遠鏡と同様に接眼レンズと対物レンズから成り立っています。
対物レンズは、物体の実像を作ります。
接眼レンズは、実像を拡大して観察します。
接眼レンズの倍率や対物レンズの倍率は、焦点距離に反比例します。
つまり、対物レンズの倍率×接眼レンズの倍率=顕微鏡全体の倍率です。
細かい物体を観察する時に分解能を利用します。
0.61×λ/N.A.=θです。
定数は0.61、光の波長はλ、対物レンズの開口数はN.A.、
物体から対物レンズに入射する光線の光軸に対する最大角度はθです。
λ/N.A.2=d(焦点深度です)です(波長に比例して開口数の2乗に反比例します)。
つまり、短い波長の光を使用して
N.A.(Numerical Apertureです)を大きくする必要があります。
N.A.=Nsinθです。
N(物体周囲の媒体の屈折率です)/空気は1です。
しかし、可視光の波長は380nm(ナノメートルです)程度です。
ちなみにN.A.は、空気中で1より大きくなる事がないです。
100nm以下の細かい物体の場合は、見えません。
つまり、光学顕微鏡で観察する大きさは限界があります。
もっと細かい物体を観察する場合は、電子顕微鏡を活用します。
拡大鏡の仕組みについて
拡大鏡は、レンズで物体を拡大して観察する光学機器です。
レンズは、虫眼鏡やルーペなどです。
主に凸レンズ(入射した平行光束を収束させる働きがあるレンズです)、
フレネルレンズ(同心円状の領域に分割し厚みを減らしたレンズです)に利用されています。
物体の手前にレンズを置いて物体側焦点とレンズの間に物体がある場合は、
凸レンズによって正立の虚像ができます。
そして拡大率は、角倍率を使用します。
レンズの公式は、1/a+1/b=1/fです。
倍率は、b/a=Mです。
fはレンズの焦点距離、aは物体のレンズからの距離、
bはレンズによる像のレンズからの距離、Mは倍率です。
凸レンズの場合はf>0、凹レンズの場合はf<0です。