放射線の人体への影響について

放射線が細胞内のDNA(Deoxyribonucleic Acidの略語です)に当たる事で、

DNAにある分子が持つ電子が弾き飛んで電離を起こしたり、

放射線を分子に取り込んで別の分子に変化したりします。

そして元は、1つの鎖であったDNAが切れたり、

配列がずれたりする事で遺伝情報に欠陥が生じます。

つまり、突然変異の影響する可能性があります。

目次

放射線の人体への影響について

放射線は、DNAに損傷を与えます。

生体中の遺伝子を傷つける事で障害を引き起こします。

ちなみにDNAは、デオキシリボ核酸です(核酸の1種です)。

 

生体中の水分子を分解して反応を起こしやすい物質(ラジウムです)を作り出して、

DNAを傷つけてしまう事があります。

しかし、DNAは自己修復機能があるので多くの場合は、元の状態に修復されます。

損傷が完全に修復されずに残ってしまうと、細胞分裂によって異常細胞が増えます。

つまり、様々な障害が引き起こされます。

ちなみに細胞分裂が盛んな造血細胞、生殖器、

骨髄、皮膚、腸管、毛髪などは影響を受けやすいです。

放射線の障害について

放射線を浴びる事で造血機能障害、皮膚の炎症、

消化管障害、皮膚の潰瘍、免疫力の低下などが生じます。

さらに細胞分裂が激しい胎児への影響は、大人よりも大きいです。

放射線障害防止法では、妊娠可能な女性や

妊娠中の女性の腹部に対して厳しい制限を設けています。

つまり、以上細胞は細胞分裂と共に増殖していきます。

 

DNAの損傷は、様々な化学物質によって生じる可能性があります。

放射線障害は、潜伏期があるので障害が数年後に出る事があるからです。

脱毛の場合は数種間程度、癌の場合は数年程度です。

つまり、放射能障害を特定する事が困難です。

年間被曝量について

年間被曝量の目安は、100mSv(ミリシーベルトです)です。

一般的には、年間1mSvを超えない事が重要です。

放射線従事者は、年間50mSv以下が重要です。

①放射線被曝が100mSv未満は、臨床症状が現れないです。

②放射線被曝が100mSv以上は、臨床症状が現れます(人体への健康被害が生じます)。

 

□局所被曝

目や皮膚などの局所に放射線を浴びる事です。

①放射線被曝が500mSv程度〜2000mSv程度は、目が水晶体被濁します。

②放射線被曝が3000mSvは、皮膚が脱毛します。

③放射線被曝が2500mSv程度〜6000mSv程度は、生殖器が永久不妊になります。

 

□全身被曝

全身に放射線を浴びる事です。

①放射線被曝が500mSv以上は、リンパ球の減少します。

②放射線被曝が1000mSv以上は、嘔吐の臨床症状が生じます。

③放射線被曝が7000mSv以上は、完全に死亡します。

放射線量 主な被害
0.05mSv 原子力発電所周辺の放射線量目標値(年間単位です)、
胸のX線集団検診です。
0.19mSv 東京都〜ニューヨーク州による航空機旅行です(往復です)。
0.29mSv 食べ物からの放射線です。
0.38mSv 神奈川県〜岐阜県による国内自然放射線の差です(年間です)。
0.48mSv 大地からの放射線です。
0.6mSv 胃のX線集団検診です。
1.0mSv 一般公衆の放射線量限度です(年間です)。
2.4mSv 世界平均1人当たりの自然放射線です(年間です)。
6.9mSv CTスキャンです。
10mSv ブラジルの自然放射線です(年間です)。
500mSv 末梢血中のリンパ球の減少です(全身被曝です)。
500mSv〜2000mSv 水晶体混濁します(局部被曝です)。
1000mSv 10%(パーセントです)程度の人が悪心嘔吐します(全身被曝です)。
2500mSv〜6000mSv 生殖器に被曝します(局部被曝です)。
3000mSv 皮膚の脱毛が生じます(局部被曝です)。
3000mSv〜5000mSv 50%程度の人が死亡します(全身被曝です)。
5000mSv 皮膚の紅班、水晶体の白内障が生じます(局部被曝です)。
7000mSv〜10000mSv 完全に死亡します(全身被曝です)。
10000mSv以上 急性潰傷が生じます(局部被曝です)。

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