特殊ガラスについて
ガラスは基本的に脆くて、割れやすいイメージがあります。
平成時代に入って、丈夫な強化ガラスが登場しました。
そして強化ガラスは、スマートフォンの画面、
医療機器、工業用測定機器などに利用されるようになりました。
つまり、現代社会に大きな影響を及ぼした特殊ガラスは
割れやすい欠点を表面圧縮で対応しました。
目次
特殊ガラスについて
特殊ガラスは、アルカリアルミノケイ酸塩の素材を使用しているガラスです。
大きな特徴は、高い透明度と強度があります。
特に強度は、プラスチックの数十倍程度です。
基本的に衝撃や傷に耐える事が可能です。
主にスマートフォン、タブレットなどに採用されています。
2010年、世界の携帯電話の中で約20%程度採用されました(約2億台です)。
●アルミノケイ酸塩は、ケイ酸塩中にあるケイ素原子の1部を
アルミニウム原子に置き換えた構造を持つ化合物です。
ガラスは、圧縮に強いです。
逆に引っ張りに弱いです。
つまり、ガラスが完成した時点で圧縮されている事が重要です。
初めに小さめイオンで製造する事によって、
化学的に同じ性質があるイオンで大きなモノで置き換えると、
圧縮状態になって丈夫なりやすくなります。
●イオンは、電子の過剰や欠損によって電荷を帯びた原子です。
特殊ガラスの生い立ちについて
製造過程でイオン交換を表面に適用する事で特殊ガラスができます。
原型になるガラス素材は、ケイ酸塩です。
そしてケイ酸塩は、網目があります。
つまり、ケイ酸塩の隙間にNaイオンが入っています。
●ケイ酸塩は、岩石に含まれる鉱物の1種です。
約400℃(度です)程度で溶解されたカリウム塩に浸します。
ガラス表面の小さなナトリウムイオン(半径0.12mm程度です)が
溶解塩内の大きなカリウムイオン(半径0.15mm程度です)に置き換わります。
体積は、2倍以上です。
つまり、冷却された際に圧力が生じます。
●溶解は、物質が液体に溶け込んだ均一な液体です(溶液です)。
●ナトリウムは、原子番号11の元素です(アルカリ金属元素です)。
●カリウムは、原子番号19番の元素です(アルカリ金属です)。
カリウムイオンは、さらに深い部分まで浸透します。
強く圧縮している表面層が引っ張りによる破壊を防ぐ事に繋がります。
つまり、表面の傷の発生を防ぐ事になります。
最近は、スマホの表面の曲がった面として利用されています。
特殊ガラスは、仮想現実(VRです)、拡張現実(AR、メタバースです)などで
ウェアアラブルの表示装置が採用されています。
結果的に強いガラスは今後多くのデバイス(機器です)に利用されています。
●仮想現実は、環境全体をシュミレーションして
ユーザーの世界を仮想的な世界に置き換える技術です。
●拡張現実は、シミュレーションした環境で現実の環境を拡張する技術です。
●メタバースは、インターネット上に構築された三次元の仮想空間です。
●ウェアアラブルは、手首、腕、頭などに装着するコンピューターデバイスです。