海外支店の税金について
日本法人が海外支店を設立した場合の課税は、
海外支店に帰属する事業所得が所得源泉地国で課税されます。
そして、日本法人の所得として日本で課税されます。
所得源泉地国と日本の双方で課税が生じるので、外国税額損金参入の適用や
外国税額控除の適用で二重課税を調整していきます。
さらに日本法人が海外現地法人を設立した場合の課税は、
現地法人の所得は現地国で課税されます。
しかし、日本法人の課税は影響しません(現地法人は法人格が異なるからです)。
目次
海外支店の税金について
①現地国の課税
日本法人が海外支店設立の為に日本から資金を送金して、
視点を設立する行為は現地国で所得が生じる行為ではないです。
現地国の法人税の課税はないです。
②日本の課税
支店は、法人の機能なので支店設立時は機能付加する為の法人内部の資金資産移動です。
日本では、法人税の課税はないです。
海外支店の所得に対する課税について
①現地国の課税
●事業所得課税
支店は、補助的や準備的活動飲みを行っている場合を除いた恒久的施設に該当します。
支店に属する所得は、現地国で課税されます。
●本支店間の取引価格
支店に属する所得は現地国で課税されるので、現地国の所得は正当に計算します。
日本の本店と現地国の支店は、本支店間や第3者価格で取引をします。
●申告課税
支店の所得は源泉徴収課税ではなく、
現地国の法令に基づいた現地国に確定申告をして納税します。
②日本の課税
●外国税額控除の適用
海外支店の所得に対して現地国で課税されます。
日本の海外支店の所得は、日本国内の所得に合算して課税します(二重課税です)。
現地国で支払った外国法人税を日本の法人税から控除する外国税額控除の適用ができます。
つまり、二重課税を調整できます。
ちなみに、外国税額控除の適用に代えて外国税額損益算入もできます。
●所得の合算
海外支店の所得は、全額日本の所得と合算して課税されます。
一般的に支店の所在地国で会計制度に基づいた財務諸表を事業年度終了時の為替相場や
換算レートで円換算して本支店間取引の未実現利益を控除して財務諸表を合算します。
つまり、日本の税法で損益不算入その他の税務調査と
海外支店を含めた全体の課税所得を計算します。
各国の現地支店に対する課税について
国名 | 支店開設 | 支店に対する課税 |
---|---|---|
アメリカ合衆国 | 可能 | 所得課税されます。 |
大韓民国 | 可能 | 所得課税されます。 |
台湾 | 可能 | 所得課税されます。 |
マレーシア | 可能 | 所得課税されます。 |
タイ | 可能 | 支店所在地国で所得課税されます。 |
フィリピン | 可能 | 支店所在地国で所得課税されます。 |
ベトナム | 可能(食料品や工芸品の輸出、特定設備、原材料の輸入のみです) | 支店所在地国で所得課税されます。 |
香港 | 可能 | 香港で生じた所得が課税されます。 |
中華人民共和国 | 銀行、保険、石油、ガスなどの特定業種の支店は可能< | 支店所在地国で所得課税されます。 |
インドネシア | 銀行、石油、ガスなどの特定業種の支店は可能 | 支店所在地国で所得課税されます。 |
シンガポール | 可能 | シンガポールで生じた所得及び シンガポールで受領した所得が課税されます。 |