ミュオン触媒核融合について
物質の構成要素である素粒子は、レプトン(lです)とクォーク(qです)があります。
レプトンの1種であるミュオンは、正の電荷を持った正ミュオン(m+です)と
負の電荷を持った負ミュオン(m-です)があります。
そして重さは陽子の1/9、電子の207倍程度です。
さらに、加速器から高エネルギー粒子を原子核にぶつける事で
パイオン(最も軽い中間子です)が発生します。
ミュー粒子の寿命は、2.2μs(マイクロ秒です)です。
つまり、他の原子や分子の電気的な力を及ぼし合って物質中で軽い陽子や重い電子になります。
目次
ミュオン触媒核融合について
ミュオン触媒核融合は、高温状態を必要しない核融合です。
素粒子が触媒する核融合は、重い電子負ミュオンを導入します。
二重陽子や三重陽子などの原子核の1つに結びつく事によって、
電子が原子核の周りを回るよりも小さい軌道(質量の比1/200です)を回ります。
そして別の原子核は、反発力が消えて2つの原子核が近づきます。
ミュオンが2つの原子核の周りを回る小さい分子ができます。
核融合がすぐに発生します。
二重水素、三重水素の周りをミュオンが回る分子ができると、
ps(ピコ秒です)の短時間で核融合が起こります。
核融合を引き起こした後、ミュオンは自由になって再原子を作ります。
2つの核を引き寄せて核融合を起こさせます。
さらに再自由になって核融合が連鎖的に発生します。
ミュオン触媒核融合の弱点について
核融合後、中性子とアルファ粒子に引き寄せられてくっつく
ミュオンアルファ付着現象が起こります。
つまり、連鎖反応が止まります。
くっついた直後のエネルギーが高い中で
ミュオンがアルファ粒子から剥ぎ取られる離脱現象もあります。
ミュオン核融合サイクルについて
ミュオンが自由になる際に一致させると、ミュオン核融合サイクルができます。
寿命の間に多数回連鎖的に核融合が起こります。
サイクルの巡回速度はとミュオンアルファ付着率と離脱率で決まります。
そしてミュオン1個を生産する為には、5GeV(ギガ電子ボルトです)が必要です。
1回の核融合当たり、7.6MeV(メガ電子ボルトです)生産できます。
300回核融合を発生すると、ブレーク・イーブンになります。
ちなみにブレーク・イーブンは、核融合炉の運転に必要なエネルギーと
取り出されるエネルギーが等しくなる事です。
二重水素をパラ状態にして巡回速度を上げたりする事も可能です。
固体や液体の二重水素や三重水素の高密度状態中でアルファ離脱率が異常に大きいです。
つまり、寿命中に1000回以上の核融合が実現できます。
二重水素をパラ状態にして巡回速度を上げ、結果的に、寿命中に1000回以上の核融合が実現できる、とありますが、このことを少し具体的に知りたいので、この点に関する論文名を教えていただけませんでしょうか。
加速器の研究では、国内の研究機関でも、テーブルトップクラスで巨大なものの研究報告がされていますので、核融合型の実用化のトップは、ミューオン触媒方式ということになりますかね。素晴らしいことだと思います。