保険外併用療養費制度について
保険診療(国民健康保険法や健康保険法などによって定められている診療です)と
保険外診療を併用する混合診療が禁止されています。
つまり、保険が適用されない保険外診療を行うと、
保険が適用される診療も含めて、医療費の全額が自己負担になります。
しかし、保険外診療を受ける場合は、厚生労働大臣が定める
評価療養、選定療養、患者申出療養が保険診療との併用を認められています。
目次
保険外併用療養費制度について
保険外併用療養費制度は、健康保険法等を根拠に、日本の公的医療保険で
被保険者が保険給付の対象外のモノを含んだ療養に関して、
保険対象部分の保険給付を行う制度です。
保険診療との併用が認められる場合は、通常の治療と共通の部分
(診察、検査、入院料、投与などです)の費用が一般の保険診療と同様に取り扱われます。
つまり、1部は負担金を支払います。
残りの額は、保険外併用療養費として健康保険から給付が行われます。
さらに被扶養者の保険外併用療養費にかかる給付は、家族療養費として給付が行われます。
評価療養について
将来、保険適用をするかどうかの評価段階にある高度な医療技術です。
評価療養を受けた患者さんは、評価療養部分の費用を全額自己負担になります。
しかし、通常の保険診療分の費用は、1部自己負担で済みます。
評価療養の中で先進医療を受けられる条件は、
施設基準に該当して、厚生労働大臣の承認を受けた保険医療機関に限られます。
①先進医療です(高度医療も含みます)。
②医薬品の治験に係る診療です。
③医療機器の治験に係る診療です。
④薬事法承認後で保険収載前の医薬品の使用です。
⑤薬事法承認後で保険収載前の医薬機器の使用です。
⑥適応外の医薬品の使用です。
⑦適応外の医療機器の使用です。
選定療養について
①特別の療養環境です(差額ベッド代も含みます)。
ちなみに救急の場合、治療上必要な場合、同意書へのサインがない場合などを除きます。
②時間外診療です(緊急時は除きます)。
③180日以上の入院です。
④金属床総義菌です。
⑤予約診療です。
⑥制限行為を超える医療行為です。
具体例は、月13単位を超える慢性期患者さんのリハビリステーションです。
⑦小児雨虫の指導管理です。
⑧紹介状なしの200床以上の病院の初診です。
⑨200床以上の病院の再診です。
ちなみに他の医師を紹介したにも関わらずに、患者さんが希望した場合です。
⑩歯科の菌合金です。
患者申出療養について
2016年04月01日以降は、保険外併用療養費制度に患者申出療養が追加されました。
基本的に未承認薬を迅速に保険外併用療養費として使用する場合は、
困難な病気と闘う患者さんに応じる為に、患者さんから申出を起点とする仕組みです。
つまり、将来的に保険適用に繋げる為のデータや科学的根拠を集積する事が可能です。
