社債の金利について

安全性が高い債券は、国債です。

そして、リスクフリーレート(RFRです)で有名です(デフォルトリスクが少ない金利です)。

しかし、民間企業が発行する社債は、国債よりもリスクが高いです。

つまり、社債の金利は国債の金利に上乗せします。

さらに社債のリスクは、主に発行体である企業の信用リスク、

金利変動リスク、流動性リスクがあります。

ちなみに日本は、2016年にマイナス金利政策が始動しました。

現在は、日本円の無リスク金利はマイナス金利です。

目次

社債の金利について

社債は、企業が発行する債券です。

発行時は、引き受ける証券会社がリスクを判断して国債金利に上乗せする金利を計算します。

金融市場の需要を予測して、類似する企業の償還期間が近い社債と比較します。

つまり、バランス性を重視して最終的な金利を決定します。

社債の金利と国債の金利の差がスプレッドとして評価できます。

 

公式は、社債の金利-国債の金利=スプレッドです。

●リスクフリー金利は、国債金利です。

●社債金利は、国債金利・信用リスク・流動性リスクです。

●スプレッドは、信用リスクと流動性リスクです。

 

スプレッドは、社債のリスクの強度を判断する指標です。

具体例は、米国10年債の金利が2.0%とします。

10年償還の社債が3.0%で発行した場合は、スプレッドが1.0です。

その後、低い金利2.8%で発行した場合は、スプレッドが0.8になります(タイトニングです)。

つまり、企業の財務諸表が改善してリスクが低下した事や需給環境が向上した意味になります。

ちなみに、高い金利3.2%で発行した場合は、スプレッドが1.2になります(ワイドニングです)。

つまり、企業の財務諸表が悪化してリスクが高くなった事や需給環境が低下した意味になります。

●タイトニングは、スプレッドの幅がが小さくなる事です。

●ワイドニングは、スプレッドの幅が大きくなる事です。

社債と証券会社について

社債の金利は、主に発行体である企業の財務指標、償還期限、

募集額、金利動向などによって異なります。

社債の発行を引き受ける証券会社は、様々な事を考慮して金利を決めます。

特に機関投資家の購買意欲や将来的な見通しが重要です。

 

社債を発行する企業は、利払い金額を抑える為に小さいスプレッドの発行を希望します。

しかし、企業リスクに応じていない低金利は投資家の購買意欲が下がります。

結果、希望額の資金調達をする事が難しくなります。

証券会社は、社債を発行する企業と購入先である機関投資家の仲介をします。

つまり、企業が望む金利設定と機関投資家が希望する利回りを満たす事が大切です。

 

社債を引き受ける最終判断は、シンジケーションで行います。

多くの証券会社は、企業と機関投資家の両方を考慮したバランス感覚を調整します。

さらに証券会社は、自ら企業に出向いて社債の資金調達を勧誘する事もあります。

発行体の窓口としてリレーションシップ・マネージャー(RMです) が部署内にあるからです。

●シンジケーションは、複数の金融機関が協調して管理する業務や担当者です。

●リレーションシップ・マネージャーは、取引先との関係を管理する業務や担当者です。

●企業←→リレーションシップ・マネージャー←→シンジケーション→機関投資家です。

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