相続税の物納について
国税は、金銭納付が原則的です。
しかし、相続税は納期限内の納付だけではなく、延納によって納付できない事があると、
認められる場合に相続財産を納める物納が利用できます。
ちなみに貨幣経済発達以前の社会は、貨幣の代替品である品物や宮廷及び政務で
実際に消費される物資を調達する観点から物納による納税が行われていました。
目次
相続税の物納について
物納は、税金を金銭以外のモノで納税する方法です。
物納要件は、主に2つあります。
①延納で相続税を金銭で納める事に困難な事情がある事です。
具体例は、貸付金の返還や退職金の給付の確定などです。
つまり、納税者の近い将来に確実と認められる金銭収入を考慮して判定します。
しかし、金銭で納める事が困難な部分の額に限られています。
②物納しようとする相続税の納期限までに、金銭で納付する事を困難とする事情や
物納に充てようとする財産等の所定の事項を記載した物納申請書を
所轄の税務署長に提出して、申請が適正になると、許可の通知があります。
しかし、金銭納付が可能であると認められる場合や物納申請財産が不適当である場合は、
税務署が物納を却下する通知や物納財産の変更を求める通知をあります。
物納できる財産は、相続財産で日本国内にある事です。
優先的に財産を充てる事になっている主に3つあります。
①国債、地方債、不動産、船舶などです。
②株式、社債、証券投資信託、貸付信託の受益証券などです。
③動産です。
ちなみに特定登録美術品は、物納可能です。
財産で適当な価額のモノがない場合は、
株式、社債、証券投資信託などの受益証券で物納ができます。
他に適当な価額のモノがない場合は、動産も認められる事があります。
物納財産を国が収納する時の価額は、原則として相続税を計算した時の価額によります。
相続税の物納の流れについて
①納付方法の確認をします。
②物納手続き関係書類の作成をします。
③物納申請書及び物納手続き関係書類の提出をします。
④提出された書類の訂正や不足の書類を提出します。
⑤物納申請財産の現地調査をします。
⑥収納に必要な措置を実施します。
⑦物納許可が下りると、物納できます。
●物納→国庫です(日本銀行の本支店、税務署、金融機関です)。