発泡スチロールについて

軽量で丈夫な断熱性に優れている発泡スチロールは、独特な素材が使用されています。

家電製品やカップ麺の容器の緩衡材として有名です。

普及していた発泡スチロールは、重量に対する体積が大きいので再資源化を難しくしています。

資源循環社会に向けた技術開発や優れたリサイクル方法を生み出していきたいです。

ちなみに資源循環社会は、環境への負荷を減らす為の社会です。

目次

発泡スチロールについて

発泡スチロールは、合成樹脂素材の1つです。

大きな特徴は、耐水性が高いや加工しやすい事などです。

しかし、重量に対する体積が大きいので使用済み製品の回収や処理の効率性が低いです。

石油から精製したポリスチレンを発泡ガスを含むビーズ状にして、

蒸気を用いて約50倍に膨らましせて形成されます。

そして非常に燃えやすい素材です。

ちなみに別名は発泡ポリスチレン、発泡スチレン、スチレンフォーム、スタイロフォーム、

ポリスチレンフォームなどです。

さらにポリスチレンは、過酸化ベンゾイルをイニシエーターとしてスチレンをラジカル重合して、

アタクチック構造があるプラスチックです(スチレンをモノマーとするポリマーです)。

リサイクルマークは、6です(SPIコードです)。

主な発泡スチロールの種類について

製法や用途によって違いが生じます。

発泡スチレンシート…耐熱性が低いです。

別名は、PSPです。

具体例はカップヌードルの容器、食品トレーなどです。

ポリプロピレンやポリ塩化ビニルなどを利用すると耐熱性が向上します。

ビーズ法発泡スチロール…断熱性、耐衝撃性、汎用性が高いです。

別名は、EPSです。

最も世間的に利用されている発泡スチロールです。

具体例はクーラーボックス、生鮮食料品の輸送に使用される梱包材などです。

ちなみにビーズは、小さな粒状のポリスチレンを発泡化したモノです。

押出法発泡ポリスチレン…難熱性が高いです。

別名は、XPSです。

具体例は、建築資材用の断熱材などです。

基本的には、一般向けではないです(建材です)。

発泡スチロールのリサイクル方法について

ソニー株式会社が開発したリモネン・リサイクルシステムがあります。

マテリアルリサイクルは、熱で溶かしてポリエチレンの原料とする方法です。

これは、従来の回収や運搬を含めた課題を克服するケミカルリサイクルです。

主な再生原料は、発泡スチロール、家電部品、文具、ビデオカセット・ケース、プランターなどです。

そしてソニー株式会社は、多国籍コングロマリット事情持株会社です。

創業者は、盛田昭夫さんと井深大さんです。

さらにシステム手法は、かんきつ類の皮から抽出されるリモネンを溶剤として、

発泡スチロールを短時間で溶解化や減容化ができます。

ちなみにリモネンは、植物性の天然精油です。

大きな特徴は、安全性が高く作業効率が良いです。

 

使用済み発泡スチロールの回収は、リモネン入り溶解タンクを搭載した回収車を利用しています。

異物除去をして真空中で240℃(度です)に加熱して、蒸留する事でリモネンだけを蒸発させて、

ポリエステル樹脂を分解する事ができます。

そして分離器に残ったポリスチレンの溶融物から再生ポリスチレンビーズが生成されます。

基本的にポリスチレンを加熱すると品質が劣化します。

しかしリモネンを投与すると蒸発や分離するので劣化を抑える事ができます。

新品材料と同等の品質を維持する事ができるので、100%再生材発泡スチロールを生産する事ができます。

 

主な発泡スチロール・リサイクルの手順についてです。

溶解回収→調節機能→分離機能→造粒機能です。

溶解回収…リモネン溶解槽入り回収車が発泡スチロールを回収して、

溶解槽中のポリエチレン濃度が約20%~約30%程度になるとリサイクルセンターに届けます。

調節機能…リモネン溶液を受容槽に投入してろ過します。

リモネンは、発泡スチロールしか溶かさないので、異物除去ができます。

分離機能…リモネン溶液を真空蒸発分離器で約240℃に加熱して、

スチロール樹脂と分離します。

造粒機能…分離器内に残った溶融物は、糸状に押し出されて冷却処理が行われます。

加工して作った再生ペレットが、ポリエチレン再生業者に売却されて再利用できます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です