漢方とアトピー性皮膚炎について
アレルギー体質の人に引き起こりやすい皮膚炎がアトピー性皮膚炎です。
一般的に慢性で長年続く事があります。
そして、皮膚の清潔感と保湿が重要です。
基本的に食事、睡眠、排便などの生活習慣に気を付けて、ストレスを回避する事が大事です。
特に抗アレルギー薬やステロイド剤の治療を行う事があります。
さらに漢方薬を併用すると、有効な場合もあります。
ちなみにステロイド薬は、体内の副腎皮質ホルモン
(広範囲の生理学系に関わっているホルモン類です)を人工的に合成した薬です。
目次
漢方とアトピー性皮膚炎について
アトピー性皮膚炎は、慢性的な湿疹や痒みを特徴とする皮膚の炎症性疾患です。
漢方医学の場合は、気の巡りを改善する事が大事です。
そして、水や血を補って皮膚を潤す事や余分な水分を排泄する事で
体の正常なバランス感覚を取り戻す事が大切です。
さらに五臓(心、脾、肝、肺、腎です)の中で脾、肝、肺、腎を改善する事も重要です。
●脾は、消化吸収を司る重要な臓器です。
食べ物を消化吸収して、気・血・津液を作り出す事で全身の健康を維持する役割を担います。
黄連解毒湯は、炎症、熱感、興奮状態の緩和が期待できる漢方薬です。
特にのぼせ、顔の赤み、不眠、イライラなどの症状に向いています。
そして、喀血や吐血などの止血作用も有効です。
①炎症
●荊芥連翹湯は、痒みが強い場合、皮膚が赤黒い場合に対応しやすいです。
●十味敗毒湯は、化膿傾向、痒みが強い場合に対応しやすいです。
●白虎加人参湯は、火照り、口の渇きがある場合、尿量が多い場合、
水をたくさん飲んでいる場合に対応しやすいです。
②乾燥、痒み
●温清飲は、火照り、皮膚が赤黒い場合に対応しやすいです。
●当帰飲子は、カサつき、冷え性に対応しやすいです。
③虚弱体質
●六味丸は、手足の火照り、夜尿性に対応しやすいです。
●黄耆建中湯は、むくみ、汗を掻きやすい場合に対応しやすいです。
④気鬱、ストレス
●抑肝散は、神経過敏、不眠、怒りに対応しやすいです。
●柴胡清肝湯は、怒り、疳が強い場合に対応しやすいです。
●四逆散は、みどおちの支え、怒り、抑鬱、発汗、手足の冷えに対応しやすいです。
⑤滲出液が多い場合
●越婢加朮湯は、湿疹、むくみ、赤みが強い場合に対応しやすいです。
●消風散は、瘡蓋がある場合、痒みが強い場合に対応しやすいです。
●治頭瘡一方は、顔や頭に瘡蓋や爛れが多くある場合に対応しやすいです。
アトピー性皮膚炎の食事療法について
①体表の防衛衰退の改善と発疹・蕁麻疹の改善
香料が向いています。
②体内の老廃物の除去
タケノコ、サトイモ、カブ、エノキタケ、ニラ、マイタケ、
味噌、小豆、緑豆、醤油、胡麻油、菜種油などが向いています。
③水の代謝の改善
玄米、ハトムギ、キュウリ、ハクサイ、唐辛子、
小豆、緑豆、豆類、プーアール茶などが向いています。