ベルグマンの法則について
背骨がある動物は、脊椎動物です。
そして脊椎動物は、体温の維持や繁殖方法によって分類されています。
具体例は、鳥類、魚類、両生類、爬虫類、哺乳類です。
さらに哺乳類や鳥類は、体温が外気温に
左右されない一定に保つ事ができます(恒温動物です)。
しかし、無脊椎動物(背骨がない動物です)、昆虫、
魚類、両生類、爬虫類は外気温に左右されます(変温動物です)。
つまり、動物は様々な要因で細分化できます。
目次
ベルグマンの法則について
ベルグマンの法則は、動物の体部の大きさと気候条件の間に存在する規則です。
ドイツ生物学者として活動していたChristian Bergmann
(クリスティアン・ベルクマンです)さんが1847年に発表しました。
恒温動物は、同じ種でも寒冷な地域に生息する動物の体重が大きく、
近縁な種間で大型の種が寒冷な地域に生息する事です。
つまり、同じ仲間の動物の大きさと生息域の関係性があります。
具体例は、鹿です。
北海道に生息しているエゾシカは、大きいタイプで体重が140kg(キログラムです)程度です。
しかし、沖縄県慶良間諸島に生息しているケラマジカは、大きいタイプで体重が30kg程度です。
ちなみに、エゾシカとケラマジカは同じ日本鹿の仲間です(日本鹿の亜種です)。
そして北方地域に生息しているヘラジカは、大きいタイプで体重が700kg程度です。
東南アジアに生息しているマメジカは、大きいタイプで体重が8kg程度です。
つまり、個体の大きさと生息域の関係があります。
温暖地域と寒冷地域の動物について
①寒い地域
具体例は、ホッキョクグマです。
体長は、2m(メートルです)程度〜3m程度です。
②暑い地域
具体例は、マレーグマです。
体長は、1.4m程度です。
③日本
具体例は、ヒグマ、ツキノワグマです。
北海道に生息しているヒグマの場合は、体長が1.5m程度〜3m程度です。
本州以南に生息しているツキノワグマの場合は、体長が2m程度です。
体温を維持する為に体重が重くなる必要があります。
そして体重当たりの表面積が小さくなって、熱の放出量が抑えられるからです。
つまり、2乗3乗の法則です。
2つの相似な物体がある時、長さの2乗に比例する面積や3乗に比例する体積に関する法則です。
具体例は、立方体です。
立方体の1辺の長さが2倍になると、体積は2倍ではなく8倍になります。
単純に長さや面積が増減した事ではなく、
変化後でも変化前と同じ働きが起きる事は限らないです。
恒温動物は、体内の発熱量が肉体の容積に比例します。
体外への放熱量は、体表の表面積に比例します。
体長が2倍になると、発熱量は8倍になります。
しかし、放熱量は4倍にしかならないです。
つまり、体温が上がりすぎないように保つ事が難しくなります。
ちなみに象は、巨大な耳介を発達させる事で必要な体表面積を確保しています。
象の耳介は、外気によって血液の温度を下げる為の血管網が張り巡らされているからです。
小型動物は、単位体重当たりの表面積が大型動物と比較すると、
大きいので熱として散逸するエネルギーが非常に大きくなります。
つまり、体温を維持する為に体重に比較すると、膨大な量の食べ物を摂取する必要があります。
最終的に恒温動物の大型化や小型化は、いずれも限界があります。