財政破綻した国について
国や自治体が破綻した大きな特徴が5つあります。
①インフレーションは、経済の価格水準が全般的に上昇する経済現象です(物価高騰です)。
②デフレーションは、物価が持続的に下落していく経済現象です(物価縮小です)。
③ハイパーインフレーションは、全ての商品の価格が上昇して
現地通貨の実質的な価値が急速に失われていくインフレーションです。
④アジア通貨危機は、1997年07月以降にタイを中心に始まった
アジア各国の急激な通貨下落現象です。
⑤リーマン・ショックは、投資銀行であるリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが
経営破綻した事で連鎖的に世界規模の金融危機が発生した現象です。
財政破綻した国について
①ロシア連邦
20世紀末、世界的なデフレーションと原油価格の下落が起こりました。
当時は、天然資源の輸出に依存していたロシア連邦の財政が悪化しました。
さらに、アジア通貨危機が生じてロシア連邦の通貨であるルーブルが下落しました。
そしてルーブルから米ドルの資金流出によって、多くの金融機関が破綻しました。
1998年08月17日、ロシア連邦の中央銀行が90日間の対外債務の支払いを停止しました。
つまり、債務不履行です。
②アルゼンチン
1999年、ブラジルの通貨であるレアルが下落して、
アルゼンチンの通貨であるペソが相対的に高くなりました。
その後、アルゼンチンの輸出産業は輸出競争力が低下して貿易収支が悪化しました。
ペソと米ドルとのペッグ制(固定相場制です)が崩壊して破綻しました。
2001年11月14日、国債による対外債務の不履行です。
③トルコ
1970年以降、慢性的なインフレーションと財政悪化が続きました。
トリコ大統領は、財政改革を実行しましたが失敗しました。
2000年11月〜2001年02月、トルコの通貨であるトルコリラが大暴落しました。
実質的な財政破綻をしました。
④アイスランド
1998年以降、財務体制が黒字でした。
しかし、アイスランドのGDP(国内総生産です)の
26%(パーセントです)が金融と不動産を占めていました。
2008年09月15日、リーマン・ショックを受けて経済危機に陥りました。
サブプライムローン問題と世界金融危機の影響を大きく受けました。
アイスランドの通貨であるクローナがユーロに対して大幅に下落しました。
アイスランド政府は、非常事態宣言を発令して全銀行が国有化しました。
2008年10月08日、ロシア連邦からの融資を受けました。
2008年10月14日、IMF(国際通貨基金です)からの融資を要請しました。
2008年10月27日、アイスランド最大手銀行であるカウプシング銀行が発行していた
780億円のサムライ債が債務不履行になりました。
結果、破綻しました。
⑤ジンバブエ
白人が所有していた農場の襲撃や強制収用、ジンバブエ大統領が
コンゴ民主主義共和国への派兵や軍人に与えた特別年金などによって、
ジンバブエの重要な産業である農業の収穫量が激減しました。
つまり、ジンバブエの経済状況が急激に悪化しました。
そして欧米地域からの経済制裁を受けているので、
国内でハイパーインフレーションが発生しました。
年間のインフレ率は、2億3100万%です。
実際は、6.5×10¹⁰⁸%です。
2008年、100兆ジンバブエドル紙幣が登場しました。
2009年04月12日、ジンバブエドルの流通が停止しました。
結果、破綻しました。
⑥アメリカ合衆国
●デトロイト市
主要産業である自動車産業が衰退化しました。
主要な工場が他州や海外に移転して雇用が失われた事で税収が減少しました。
2008年09月15日、リーマン・ショックによって、
サブプライムローン問題による自動車メーカーが経営破綻しました。
具体例は、ゼネラルモーターズ、クライスラーです。
その後、大きな財政難になりました。
2013年07月18日、連邦地方裁判所で連邦倒産法第9章の適用を申請しました。
負債総額は、180億ドルです。
当時は、アメリカ合衆国の財政破綻した自治体の中で最高額です。
●プエルトリコ
2008年09月15日、リーマン・ショックによって、
主要産業である観光産業が悪化して税収が減少しました。
2015年、アメリカ合衆国自治領で初の債務不履行が発生しました。
債務者は、ヘッジファンド(機関投資家です)と協議しましたが不調になりました。
2017年05月03日、連邦地方裁判所で連邦倒産法第9章の適用を申請しました。
つまり、自治体として破産しました。
負債額は、700億ドルです。
ちなみに、2013年のデトロイト市の約4倍程度です。