水道の基礎知識
水は、人類にとって大切な存在です。
常に水を利用していて、多くの技術や工夫を経て上水道システムを構築してきました。
自由自在に水を使用できるような仕組みを生み出す工程を考えて、
水不足対策に大きな貢献をしてきました。
今後はより一層、水に対する価値観が高くなります。
目次
①水道の水質について
水道の水質基準は、水道水質の安全性を確保する事です。
これは、人間の健康に影響が生じない安全性を考慮した基準値が設定されています。
そして水道法により、水質基準を維持して検査が義務付けされています。
水道事業者、水道供給事業者、専用水道の設置者は、
水道法施行規則によって、水質検査計画を策定する事が必要になりました。
検査回数、採水場所などの具体的に規定されています。
水道法は、水道の管理や水道業者の保護育成などの公衆衛生向上を目的とした法律です。
ちなみに、1957年12月14日に制定されました。
②水道の水圧について
水道の水圧は、汚染された水などが水道管に入ってこないようにする為です。
そして、消防用水として利用できます。
さらに、水圧によって安定的に水を供給できます。
水道法上の水圧は、配水管から給水管に分岐する箇所で、
最小動水圧が0.15MPa(メガパスカルです)以上が必要です。
水頭は、約15mです(メートルです)。
2階建ての家屋に放水する為に必要な水圧です。
ちなみに、1MPaは1000000Pa(パスカスです)です。
最大動水圧が0.74MPa(メガパスカルです)超えないようにする必要があります。
水頭は、約74mです(メートルです)。
これは、水圧が高すぎると漏水の原因になるからです。
水圧を確保する為には消火用水利用があります。
これは、消防水利の基準により毎分1㎥(立方メートルです)以上で、
連続して40分以上の給水能力が必要です。
水道の給水は、利用者が対等な水圧で供給される事が必要です。
配水区間内の水圧は、同じにする事が望ましいです。
このように、配水区の区割りは配水管網の推理計算などを行います。
水利用のピーク時には、配水区域全域が適切な水圧に維持ができるようになっています。
配水管の水圧は、土地の標高に支配される事が多いので、
標高を考慮した水圧制御が必要です。
③水道の水量について
水道は、平常時の水の需要に対応している事が重要です。
それだけではなく、自然災害による住民の生活に支障がないように、
給水の水量の安定的な確保が望まれています。
主な安定的な給水の取り組みについてです。
項目 | 主な内容 |
---|---|
貯水施設や水源 | 水源の安定性の向上、水源の多系統化、相互運用ができるようになりました。 |
取水施設や導水施設 | 取水施設を相互に連絡する為の原水連絡施設の設置です。 水量や水質の原水の調整ができて、給水の安定性を向上できます。 |
浄水施設 | 計画浄水量、原水水質の汚染事故や改良などの対応ができるようになりました。 複数の浄水場を保有している場合は、原水や浄水の相互連絡を設置しています |
送水施設や配水施設 | 送水施設や配水施設の相互連絡が配水系統規模の適正化や配水管網の整備により、 非常時の対応などができます。 |
専用水道 | 寄宿舎、社宅などの自家用水道等の居住者に供給される水道、 水道事業用の水道等以外の水道です。 その他に1日最大給水量が20㎥(立方メートルです)超のモノです。 |
簡易専用水道 | 貯水槽水道の1つで、受水槽の有効容量が10㎡超のモノです。 ちなみに、受水槽は水を供給する為の貯水タンクです。 |
安定給水確保の3ヶ条は、水量的な貯留機能や調節機能を高める、
総合的な水運用機能を高まる、浄水場の複数化する事です。
具体的な施策は水源の多系統化、原水調節池の設置、配水池の容量補強や適正設置、
幹線管路の相互連絡、事業者間相互連絡施設の設置、管路の複数系統化などです。
1MPaは1000000Pa(パスカスです) →パスカル
推理計算→水理計算