居住地国の基礎知識

税務上の居住地国は、法人の納税地で重要事項です。

そして、納税地を決定する為に居住地国を決める必要があります。

自国を居住地とする法人はに対する課税は、

さらに、全世界の所得を課税範囲である全世界所得課税方式があります。

ちなみに特定国の所得だけを課税範囲である域内所得課税方式があります。

目次

居住地国の基礎知識について

①全世界所得課税方式

日本、アメリカ合衆国、中華人民共和国、大韓民国、

台湾、インドネシア、ベトナム、タイ、フィリピンなどです。

 

②域内所得課税方式

香港、シンガポール、マレーシアなどです。

 

③外国税額控除の適用

居住地国で全世界所得課税方式が適用されている場合は、

外国税額控除の適用ができます。

非居住地国で支払った税金を居住地国の税金から差し引きます。

 

④租税条約の適用

居住地国と非居住地国の課税の取り扱いを定めた二国間の条約です。

そして租税条約の課税の軽減規定は、非居住地国の所得に対する課税が適用されます。

つまり、居住地国の課税に制約や軽減はないです。

居住地国を決める事で、非居住地国が判明します。

非居住地国から生じる所得は、租税条約による課税軽減を検討できます。

居住地国の決め方について

法人の本店登録を行っている国の税法で判定します。

基本的に本店登録地や経営を担う場所が

自国にある場合に自国を居住地国として認識されています。

さらに、本店登録地と中枢経営を行っている場所が一致している場合は、

本店登録地が居住地国になります。

ちなみに、居住地国は法人ごとに決定します。

海外子会社は、親法人とは異なります(別法人です)。

つまり、子会社は子会社としての居住地国を決めます。

支店は法人組織の1部です、本店を含めて居住地国が決定されます。

国名 居住地国の決め方
日本 本店や中枢事務所がある法人
大韓民国 本店や中枢事務所がある法人、経営の中枢がある法人
香港 本店登録、経営の中枢がある法人
シンガポール 経営の中枢がある法人
マレーシア 経営の中枢がある法人

二重居住者について

本店登録地と中枢経営を行っている場所が異なっている場合は、

2カ国で居住者になる可能性があります。

法人経営の中枢が海外にある場合は、

役員が海外に滞在して役員会も海外で行われる事があります。

2カ国が居住地国が2カ国ともに全世界所得課税方式を採用している国の場合は、

両国で全世界所得課税方式を受けます。

つまり、納税者が過度な負担になる可能性が出てきます。

 

2カ国で居住者になった場合は、居住地国の調整規定が租税条約に設けられています。

国名 租税条約内容
アメリカ合衆国 税務当局間の協議によって決まります。
香港 税務当局間の協議によって決まります。
シンガポール 税務当局間の協議によって決まります。
マレーシア 税務当局間の協議によって決まります。
インドネシア 税務当局間の協議によって決まります。
フィリピン 税務当局間の協議によって決まります。
タイ 税務当局間の協議によって決まります。
大韓民国 実質管理地がある国を居住地国とします。
ベトナム 実質管理地がある国を居住地国とします。
中華人民共和国 本店所在地国の協議によって決まります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です